近年注目を集めるキャラデコ アクリルカラーは、中野製薬から発売されている高彩度ヘアカラー剤です。
ブリーチ後の髪に鮮やかな発色を与えることができ、クリアでビビッドな色味が特長です。
本記事では、美容師向けにアクリルカラーの詳しい使い方から、各カラー(パープル・オレンジ・レッド・ピンク・ブルー)の違い、色の混ぜ方やアクセントカラーの活かし方までを徹底解説します。
キャラデコ アクリルカラーの特徴と基本的な使い方

キャラデコ アクリルカラーはアルカリタイプの酸化染毛剤で、通常のヘアカラーと同様に1剤(カラー剤)と2剤(オキシ/過酸化水素)を1:1の割合で混合して使用します。
推奨オキシ(2剤)は6%で、しっかりと色を発色させながら約レベル9程度までのトーンアップ効果があります。
使用方法は従来のファッションカラーと同じ要領で、ブリーチ後の乾いた髪に塗布し、室温で20~30分放置した後、シャンプーで洗い流します。
酸化染毛剤であるため頭皮近くから塗っても皮膚に色が付きにくく、根元ギリギリから鮮やかなカラーを乗せることができます。
従来、ビビッドなカラーを表現する際には、塩基性カラー(マニキュア)を別工程で使う必要がありましたが、アクリルカラーならワンプロセスで高彩度カラーを実現できます。
ブリーチ→カラーの2ステップで完了するため、施術時間の短縮とコスト削減に繋がり、サロンワークで提案しやすいのもメリットです。
各カラーの違いとカラーチャート:パープル・オレンジ・レッド・ピンク・ブルー

キャラデコ アクリルカラーはパープル・オレンジ・レッド・ピンク・ブルー(※その他にレモン・グリーンも含む全7色)のラインナップです。
すべてが高彩度で濁りのないビビッドカラーですが、それぞれの色相によって発色の特性や適したベースレベルが異なります。
- アクリルパープル: 鮮やかな紫色を表現できるカラーです。 ブリーチ毛でもしっかりと紫が発色し、ダメージ毛でも赤みが抜けず綺麗なパープルに染まります。 単品使用でも明度が落ちにくくクリアな紫が出せるため、ビビッドなパープルを表現したい時に最適です。
- アクリルオレンジ: ビビッドな橙色で、暖色系デザインに活躍します。 高発色ながらクリアなオレンジなので、ブリーチベースにそのまま乗せても濁らず鮮やかです。 既染部の黄色味に左右されにくく、明るいオレンジ~コーラル系のアクセントとして使えます。
- アクリルレッド: 原色に近い鮮烈な赤色が特徴です。 ブリーチした髪に乗せれば発色の良いレッドになり、単品でポップでアクティブな印象を与えられます。 深みを出すために他の色と混ぜたり、ポイント使いで血色感をプラスするアクセントカラーとしても優秀です。
- アクリルピンク: ショッキングピンクのような高彩度ピンクです。 見た目の薬剤の色は非常に濃いですが、仕上がりは透明感のあるクリアなピンクに発色します。 単品で主役カラーにしても、ブラウン系に少量混ぜて柔らかなローズ系のニュアンスを出しても、明度をあまり落とさずに色味を加えられる万能カラーです。
- アクリルブルー: 澄んだ青色を再現できるカラー剤です。 従来の酸化染毛剤では難しかったクリアなブルーが可能で、ネイビーブルーから原色に近い青まで表現できます。 黄色味が残るレベル13程度のベースではやや緑寄りになりますが、レベル15以上までしっかりブリーチすれば鮮やかなブルーに仕上がります。
キャラデコ アクリルカラーの混ぜ方とカラーレシピ

アクリルカラー同士を組み合わせたり、他のキャラデコカラーにミックスすることで、無限に近い色表現が可能です。
混色のポイントは、クリア剤や高明度のベースカラーを使って染料濃度を調整することです。
専用のクリア剤(無色のカラー剤)を混ぜればパステル調の淡い色味も作れます。
また、通常のアクセントカラーのように既存のナチュラル系カラーに数%だけ混ぜて使うことで、髪色にさりげない個性をプラスすることもできます。
以下にプロ向けのカラーレシピ例をいくつか紹介します。
コーラルピンクのレシピ
アクリルピンク:アクリルオレンジ = 2:1 (オキシ6%)。
明るいピンクにオレンジを少量足すことで、やわらかく甘いコーラルピンクに仕上がります。
ブリーチレベル12以上の髪におすすめです。
ターコイズブルーのレシピ
アクリルブルー:アクリルグリーン:クリア = 1:1:2 (オキシ3%)。
青と緑を同量混ぜ、さらに倍量のクリアで薄めると、鮮やかさを保ちつつ透明感のあるターコイズブルーが作れます。
ハイトーンベース(レベル15程度)で柔らかなブルーグリーンを表現できます。
ローズブラウンのレシピ
8レベルのスモーキーブラウン:アクリルピンク = 10:1 (オキシ6%)。
くすみ系ブラウンにごく少量のピンクを混ぜると、ほんのりとローズ味を感じる上品なブラウンになります。
初めてのアクセントカラーにも最適なさりげない配合です。
アクリルカラーをアクセントカラーとして活かすポイント

キャラデコ アクリルカラーは、単色で髪全体を染めるだけでなく、アクセントカラーとして部分使いすることでデザインの幅が広がります。
例えばインナーカラーやハイライトにビビッドな色を入れて、動きが出たときにチラッと見えるようにする演出は、おしゃれ上級者に喜ばれるテクニックです。
アクリルカラーなら根元から塗布できるため、ブリーチ後のインナー部分に直接塗ってしっかり発色させることができます。
また、褪色後も比較的明るさが残りやすく、極端にくすまないので、色が抜けてきても次のカラーチェンジの土台に影響しにくい利点があります。
さらに通常のブラウン系カラーにアクリルカラーを少量混ぜて「隠し味」にする方法も有効です。
例えばピンクを混ぜておけば日光に当たったときにほんのりピンク味を感じる…という具合に、お客様にしか分からない隠れたおしゃれを提案できます。
このようにアクリルカラーを効果的に活用することで、サロンワークで他にはない差別化されたカラーデザインを提供できるでしょう。