透明感が魅力のイルミナカラーですが、その色落ちの早さに戸惑う美容師も少なくありません。
イルミナカラーの色落ちについて、ブリーチあり・なしでの違いや1週間後の髪色の変化、色落ちしにくいカラーの選び方、そしてお客様から「色落ちさせたい」と相談された場合の対応方法まで、現場で役立つ専門知識を詳しく解説します。
イルミナカラーは色落ちが早い?その原因と特徴

イルミナカラーは一般的なヘアカラーより色落ちが早い傾向があります。
その理由の一つが染料の脱色力です。
イルミナカラーは通常のカラー剤よりも髪を明るくする力が強く、一度の施術で髪のメラニン色素を大きく削ります。
その結果、染めたては高発色でも、早い人では1週間ほどで色落ちしてしまうこともあります。
また、イルミナカラーはブラウン系の下地をほとんど含まないブルーバイオレットベースです。
そのため、退色後は染める前より明るい髪色になりがちです。
とはいえブラウンが少ないおかげで、退色後も赤み・黄みが出にくく比較的ムラなく色落ちします。
- ハイトーン・淡い色:3日〜1週間で色抜け開始
- 中間的な明るさ:2週間〜1ヶ月程度で徐々に褪色
- 暗めのトーン・濃色:3週間〜1ヶ月以上持つケースも
ブリーチあり・なしでの色落ちの違い

ブリーチの有無で色落ちの仕方も異なります。
ブリーチ毛では発色が鮮やかな反面、退色も早く、色落ち後は明るい金髪ベースが露出しやすいです。
逆にブリーチ無しの場合、地毛の色素が多少残るため退色後も地毛の色味が少し残ります。
ただしイルミナカラーの強い脱色効果で、ノンブリーチでも退色後は染める前より明るくなることが多い点に注意です。
比較ポイント | ブリーチあり | ブリーチなし |
---|---|---|
発色 | 鮮やか | 控えめな透明感 |
色落ちスピード | 早い | ゆるやか |
色落ち後 | 金髪ベースが露出 | 地毛より明るい茶色 |
ダメージ | 大 | 小〜中 |
ブリーチ毛はダメージで色素が抜けやすく、色持ちも短くなりがちです。
ノンブリーチでは多少色持ちが良いものの、最終的には染めたてより明るくなってしまいます。
したがって、明るい仕上がりを希望する場合は、ブリーチの有無に関わらず退色後の色味まで考慮したカラー設計が大切です。
イルミナカラー施術後の経過 – 1週間でどう変わる?

イルミナカラーを施術してから1週間程度経過すると、多くの場合で目に見えて色味の変化が現れます。
特にハイトーンの寒色系カラーは、1週間ほどで初日の鮮やかさが失われます。
一方、暗めのトーンでは1週間程度ではほとんど色味に変化がない場合もあります。
退色の早さはシャンプーの種類・頻度、熱や紫外線などの影響も受けます。
幸いイルミナカラーは退色しても極端な黄ばみや濁りが出にくく、1週間後でもある程度の透明感が残ります。
この『色落ちしてもそこそこ綺麗』という特性はイルミナカラーの利点ですが、色味を長持ちさせたい場合は早めのメンテナンスや自宅ケアを案内しておくと良いでしょう。
色落ちしにくいイルミナカラーの色・選び方
基本的にトーンが暗く色味が濃いほど色素の定着が良く、褪色しにくい傾向です。
- バイオレット混合:紫系の色味は黄ばみを打ち消し、退色後も髪色がくすみにくい
- ナチュラルベージュ:ブラウン系は退色後も自然になじむ
高明度のシルバーやパステルカラーは色素が定着しにくく、特に早く色落ちします。
希望色と色持ちのバランスを考慮し、必要なら他の剤をミックスして色持ちを向上させるのもプロの技です。
「色落ちさせたい」と言われたら – 早く色を落とす方法と提案

お客様から「今の色を早く落として明るくしたい」と相談を受けることがあります。
カラーのやり直しやブリーチをしない場合、シャンプーや時間経過で色落ちさせるしかありません。
具体的には、洗浄力の高いシャンプーで頻繁に洗髪したり、湯温を上げて入浴することで色素の流出を促進できます。また、紫外線に当てると染料の分解も進みます。
- 自宅ケア: 洗浄力の強いシャンプーで洗髪回数を増やす、湯温を高くする、日光に当てるなど
- サロン対応: カラーリムーバー剤で色素を除去、弱いブリーチでトーンアップ
お客様の「今すぐ明るくしたい」という要望には、ダメージとのトレードオフであることを説明しつつ最適な方法を選びましょう。