イルミナカラーの中でも近年注目を集めているのが「サンセット」です。
やわらかでミルキーなピンクが特徴のこのカラーは、ブリーチなしでも使いやすく、幅広い顧客層に提案できる万能カラーとして多くの美容師に支持されています。
しかし一方で、「ブロッサムやトワイライトとの違いは?」「ブリーチ有り・無しでどう変わる?」「おすすめの調合レシピは?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、美容師視点で「サンセット」の特徴や活用法を他記事よりも深く解説します。
カラーチャートやブリーチの有無による仕上がりの比較、調合レシピの実例、さらにはブロッサム・トワイライト・ビーチとの使い分けまで網羅。
日々のサロンワークで即活用できる内容になっていますので、ぜひ参考にしてください。
イルミナカラー「サンセット」の色味の特徴と仕上がり印象

イルミナカラー新色「サンセット」は、その名の通り夕暮れの空に溶け込むようなミルキーピンクが特徴です。
明るい髪色でも暗めの髪色でも馴染みやすく、鮮やかすぎず暖かすぎない透明感のある上品なピンクに仕上がります。
日本人特有の髪のオレンジ味をソフトアッシュベージュとクリアピンクバイオレットで和らげる処方により、今まで表現しにくかったピンクベージュを実現するカラー剤です。
ツヤと柔らかさを感じる仕上がりで、派手すぎない品のあるピンクヘアが楽しめます。
「サンセット」のカラーチャートと活用法

イルミナ「サンセット」はレベル6・8・10・12の明度で展開されており、カラーチャート上ではそれぞれの明度の発色見本が確認できます。
※イルミナのチャート色見本は基本的に白毛束(ブリーチした毛束)で作成されているため、実際の地毛に染めた場合はチャート通りの色味とは異なることに注意しましょう。特に暗い髪にそのまま使用すると、チャートよりも落ち着いた発色になります。
明るさや色味の調整にはレベル選択だけでなく、使用オキシ(2剤)も重要です。
例えば6%(1剤:2剤=1:1)では発色が淡くなりやすいため、3%を使うと色味がより濃く発現します。
このようにチャートを目安にしつつ、希望の明度や彩度に合わせた薬剤設定で「サンセット」の魅力を最大限に活用できます。
ブリーチの有無による発色の違いと仕上がり比較
「サンセット」はブリーチなしの髪にも使いやすいカラーですが、ブリーチの回数によって色の出方が大きく変わります。以下にブリーチ有り・無しの仕上がりの違いをまとめます:
- ブリーチなし:地毛~明るめの茶髪にそのまま染めると、穏やかなピンクブラウン系の色味に仕上がります(暗髪ではほんのりとした発色)。
派手すぎず上品なピンクヴァイオレット感を楽しめます。 - ブリーチ1回:オレンジ味があるベースでも柔らかく発色し、ピンクブラウンのニュアンスがより鮮明に。
色落ち過程でも嫌な濁りが少なく、ブラウン寄りのピンクが持続します。 - ブリーチ2回:明度の高い金髪ベースではホワイトピンクに近い淡い発色。
より透明感が増し、ミルキーで淡いピンク色がはっきりと表現されます。 - ブリーチ2回+黒染め履歴:過去の黒染め残留がある髪をしっかり抜いた場合、発色はやや深みのあるチェリーピンク系に。
鮮やかさと色持ちが良いピンクに仕上がるのが特徴です。
このようにブリーチの有無で「サンセット」の仕上がりは変化します。
ブリーチなしでも柔らかなピンク系カラーを楽しめますが、より淡いピンクや高発色を求める場合は適度にブリーチしてからの施術がおすすめです。
イルミナ「サンセット」の調合レシピ例
サンセットは単品使いでも美しい発色ですが、他のイルミナカラーとミックスすることで様々なニュアンスを作れます。
以下におすすめの調合レシピ例をご紹介します。
- サンセット単品:純粋で柔らかなピンクを表現。
そのまま使うことで透明感のあるミルキーピンクに仕上がり、初めてのピンクヘアにも最適。 - サンセット+ブロッサム:1:1混合。
ピンクに赤みを足したチェリーピンク系の発色に。
ブロッサムのウォームピンクを加えることで可愛らしい甘いピンク色になります。
また配合次第ではピンクラベンダーグレージュのような絶妙カラーも表現可能です。 - サンセット+トワイライト:ピンクにバイオレットニュアンスをプラス。
オレンジみを含むトワイライトを混ぜることで、少しくすみ感のある大人っぽいピンクパープルに仕上がります。
柔らかさの中に個性的な深みが欲しい時に◎。 - サンセット+ビーチ:ピンクベージュ系のカラーを作りたい時におすすめ。
サンセットのピンクにビーチ(サンドベージュ)を混ぜると、ほどよくピンク感を抑えたベージュ寄りのローズベージュが得られます。
柔らかく肌馴染みの良いカラーに。 - サンセット+アンバー:コーラルピンク系の発色を狙う調合。
オレンジ系のアンバーと混ぜることで、サンセット単品では出せない珊瑚色っぽいピンクオレンジに仕上がります。
暖色系でも透明感を保ちたい時に便利なレシピです。
この他にもオーシャンやオーキッドなど寒色系とのミックスでくすみを加減したり、サファリやヌードを少量混ぜてベージュ感を調整したりと応用は無限大です。
「サンセット」はベースがニュートラル寄りのピンクなので、アレンジ次第でピンクラベンダーからピンクブラウンまで幅広いカラー表現が可能です。
季節やトレンドに合わせて調合を工夫し、お客様一人ひとりに合ったオリジナルのピンクカラーを提案しましょう。
類似色「ブロッサム」「トワイライト」「ビーチ」との違い・使い分け
イルミナカラーには「サンセット」と似たカテゴリの色味も存在しますが、それぞれ特徴が異なります。
ブロッサム(既存ピンク)やトワイライト(バイオレット系)、そして新色のビーチ(ベージュ系)との違いと使い分けのポイントを押さえておきましょう。
- サンセット:青みベースのクールピンク。透明感が高く上品な発色になるのが特徴です。
ピンクをしっかり出しつつも肌馴染み良く仕上げたい時に最適。 - ブロッサム:赤みのあるウォームピンクで、サンセットよりも暖色寄りの発色。
より血色感のある可愛らしいピンクにしたい場合はこちらが◎。
甘く華やかな「チェリーピンク」系を求める時に使うと良いでしょう。 - トワイライト:バイオレットにオレンジみを感じる個性的なパープル系カラーです。
ピンクというよりスモーキーなラベンダー寄りの発色になるため、落ち着きやモード感を出したい時に適しています。 - ビーチ:砂浜をイメージしたニュートラルなサンドベージュの新色。
ピンク系ではなく柔らかなベージュトーンなので、髪を明るく見せつつ赤みを抑えたい時に活躍します。
単色で透明感のある外国人風ベージュが作れるほか、サンセットと組み合わせてピンクベージュにアレンジすることも可能です。
まとめると、「サンセット」は青みピンクで透明感重視の上品カラー、「ブロッサム」は赤みピンクでかわいらしい華やかさを演出、「トワイライト」は紫寄りで個性的なニュアンス、「ビーチ」はベージュ系でナチュラルな明るさを出すカラーです。
それぞれお客様のなりたいイメージに合わせて使い分けましょう。
ピンク系で迷ったらまずサンセットを提案し、より赤みを足したければブロッサム、紫味が欲しければトワイライト、ピンク以外で明るさが欲しければビーチ、といった具合に選定すると理想に近づきます。