アディクシーカラーは従来のブラウン配合を抑え、青味を強化した設計が特徴です。
日本人の髪に残りがちな赤味を効率的に消し、濁りのない透明感を実現します。
短時間で発色しやすいのも利点で、忙しいサロンワークでも時間を有効活用できます。
高彩度ながらツヤが保たれ、仕上がりに深みと柔らかさが両立する点も魅力です。
本記事では、アディクシーを使用したブリーチなしでの施術のポイントを解説します。
ブリーチなしで発色を高める技術的ポイント
高明度のアディクシーやライトナーを活用し、まず地毛をワントーン上げると透明感が出やすくなります。
目的の色味にクリア剤を混ぜ、染料濃度をコントロールする方法も有効です。
赤味が強い髪質には、サファイアやエメラルド系を駆使してしっかり寒色を入れましょう。
放置時間をやや短めに調整し、狙った明るさと発色を逃さない段取りが大切です。
ブリーチなし施術の基本と応用
黒髪からの施術方法
黒髪の場合、まず高明度のアディクシー(10〜13レベル)と6〜12%オキシで地毛をトーンアップします。
赤味をしっかり除去した後、希望色を重ねるノーブリーチダブルカラーが効果的です。
暗めに仕上げるならサファイア系単品でブルーブラック風の透明感を演出できます。
地毛の強い赤味を抑えつつ、室内では落ち着いた色に見え、光に透けると寒色が映えます。
茶髪からの施術方法
すでに明るいベースをお持ちのお客様には、アディクシーをオンカラーするだけで高い効果があります。
オレンジみが残る場合はサファイアとエメラルドを組み合わせ、くすみ感を強化しましょう。
既染部に濃い色素が残っている場合はブラウン剤を少量混ぜ、色ムラを防ぐのがポイントです。
根元と毛先で薬剤やオキシを変えるなど、塗り分けもサロンワークでは重要な工程です。
明るめのトーンを出すテクニック
ブリーチなしで11トーン以上を狙うなら、一度ライトナーや高明度カラーでトーンアップしてから色味を重ねます。
例えばライトナー→スモーキートパーズで、ミルクティーベージュ寄りの質感を表現可能です。
クリア剤を配合して染料を薄めると、淡いパステルカラーも再現しやすくなります。
発色が早い分、放置時間は細かくチェックしながら調整すると明るさと彩度の両立ができます。
人気カラー別の施術レシピと仕上がり
ミルクティーベージュ
ライトナーで地毛を明るくし、スモーキートパーズをオンカラーすると赤味の少ない淡いベージュに仕上がります。
黄ばみを紫味で補色し、まろやかなミルクティー風の色味が表現可能です。
放置時間を短めにすると明るさが引き立ち、柔らかな透け感が生まれます。
髪質によってはツヤを残しつつ、ムラなく明るいトーンを実現できる点も好評です。
グレージュ
サファイアやグレーパール系を使用し、赤味やオレンジみを消し去ってくすみ感を高めます。
必要に応じてブラウン剤を少量混ぜ、暗くなりすぎないバランスを取るのがおすすめです。
9〜10トーンのベースなら単品でしっかり透明感を出すことが可能です。
仕上がりは外国人風のやわらかいアッシュ感で、光に当たると軽やかな色合いが映えます。
ピンクベージュ
アディクシーの寒色ベースに少量のレッドやバイオレットをミックスし、ピンク味をプラス。
すでに明るめの茶髪なら、ほんのりピンクブラウン寄りに仕上がり柔らかな質感が得られます。
より明るいピンクを求める場合は10トーン以上にトーンアップ後、薄めのピンク系を被せると効果的です。
フェミニンな印象で、肌色を明るく見せたいお客様にも人気の色味です。
シルバー・グレー系
グレーパールやシルバー系を使い、赤味と黄味をしっかり抑えればブリーチなしでも透明感のあるグレーに。
光に当たるとややベージュよりのシルバーに見え、室内ではクールなグレージュとして落ち着きます。
もう少し暗めが好みならサファイアを使って深みのあるダークグレーにする方法もあります。
退色しても茶色っぽくならず、やわらかなアッシュベージュ系に移行しやすい点も魅力です。
青みカラー
サファイアやクリエイティブラインのブルーを使い、暗髪でも透明感あるネイビーを作れます。
6〜7トーン程度のベースであれば赤味のないブルーブラック風に仕上げることが可能です。
事前に少し明るくしておくとネイビーカラーがより鮮明になり、光の下で青みがはっきり見えます。
個性的かつ上品に見えるカラーなので、クールな印象を求めるお客様に人気です。
アメジスト
アディクシーのバイオレット系を活用し、深みのある上品な紫味を髪にプラス。
黒髪に単品で乗せると暗めのバイオレット系、光によって柔らかな紫のニュアンスを感じられます。
もう少し明るくしたい場合は9〜10トーンでアメジスト+シルバーを組み合わせ、ラベンダーグレー寄りに調整可能です。
色落ち後もベージュ系に移行するため、長い期間変化を楽しめます。
色落ちの特徴と持続させるコツ
色落ちの特徴

アディクシーカラーは濃い色素が定着しやすく、染めたての色持ちが長いといわれています。
寒色系は退色とともにベージュっぽさに移行しやすく、赤味が再発しにくいのが利点です。
ただし蓄積した青味が強い場合、別の暖色系カラーに切り替える際はやや残留色素の調整が必要になります。
ベースにブリーチがある場合は黄みとの絡みで緑っぽくなることもあり、適切なケアが重要です。
退色を防ぐ施術後のケア提案
退色対策には洗浄力の弱いシャンプーやカラー専用シャンプーを使うのがおすすめです。
紫外線やアイロン熱も色落ちを進行させるため、ヘアオイルや日焼け止めスプレーで保護しましょう。
仕上げにトリートメントを行い、キューティクルを整えると色素の流出を抑えられます。
カラーが抜けやすいお客様にはあえてワントーン濃いめに染めるなど、施術時の工夫も有効です。
サロンワークでの活用方法
どの顧客におすすめできるか

ブリーチなしで透明感を求める方全般に有効です。
ダメージを抑えたい、時間短縮したい、赤味を消したいと希望するお客様に特に喜ばれます。
黒髪でも暗く重く見せたくない学生さんや、明るさを抑えつつ柔らかい仕上がりを望む大人世代にも最適です。
他ブランドでは物足りなかった寒色系の表現を、アディクシーなら効率良く実現できます。
他のカラー剤との組み合わせ
ハイライトやグラデーションと組み合わせると、部分的にブリーチを活かしたメリハリあるデザインが作りやすいです。
白髪染めに少量のアディクシーを混ぜ、赤味を抑えたグレイカラーにする応用も可能です。
原色系の鮮やかな発色が必要な場合は、他ブランドのビビッドカラーを足してもOKです。
強みを活かしつつ弱点を補うことで、提案の幅をより広げられるでしょう。
施術時間の目安と効率的な施術のコツ
アディクシーカラーは発色が早いので、放置時間は10〜15分が目安です。
塗布を手際良く行い、全体に薬剤が行き渡るタイミングを揃えることが大切です。
ダブルカラー時はブリーチ後のシャンプーを省略し、濡れた髪にオンカラーできるため時短に有効です。
スピーディーな施術が可能となり、忙しいお客様にも喜ばれる利点があります。
まとめ

アディクシーカラーはブリーチなしでも高発色が可能なファッションカラー剤で、特に赤味を抑えた寒色系の表現に優れています。
黒髪や茶髪からでも透明感のあるカラーを作ることができ、サロンワークにおいても短時間での発色や高彩度な仕上がりが魅力です。
ブリーチなしの施術では、ライトナーやクリア剤を活用することで、より明るくクリアな色味を再現できます。
また、人気のミルクティーベージュやグレージュ、シルバー、ピンクベージュなど、多彩なカラーバリエーションも展開可能です。
色落ちに関しても、退色時に赤味が出にくいのが特徴で、適切なケアを行えば長期間きれいな発色を維持できます。
アディクシーカラーを活用し、お客様に最適な透明感カラーを提案することで、満足度の高い施術が実現できるでしょう。