シュワルツコフの「イゴラ」シリーズは、プロの美容師にとって欠かせないヘアカラー剤ブランドです。
本記事では、イゴラの基本知識から人気色の活用例、オキシジェンタ6などオキシの使い分けまでをわかりやすく解説します。
また、白髪染めやニュアンスチェンジに役立つカラーレシピ、カラーワークスやトリートメント・クリアなどの併用アイテムも紹介。
「赤・オレンジ・クールベージュ・ヌーディーピンク」などトレンドカラーを使った施術の参考にもなる、サロンワークに役立つ内容をお届けします。
イゴラをもっと深く知り、カラー提案の幅を広げたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
イゴラとは何か、どんなシリーズがあるのか

イゴラとは、シュワルツコフ社が提供するプロ向けヘアカラー剤ブランドで、イゴラロイヤルやイゴラVibrance(バイブランス)など複数のシリーズ展開があります。
長年世界中の美容師に愛用されており、鮮やかな発色と高い白髪カバー力で知られています。
イゴラロイヤルは永久染毛(アルカリカラー)タイプで、豊富な色数と最大100%の白髪カバー力を誇る主力シリーズです。

一方、イゴラVibranceはトーンオントーンの半永久カラー(弱アルカリ・酸性カラー)で、ツンとした匂いが少なく髪への負担を抑えつつ色味をプラスできます。
この他にもブリーチ剤(イゴラ バリオブロンド)や直塗りの塩基性カラー剤(イゴラ カラーワークス)など、サロンカラー施術をトータルにサポートするラインナップが揃っています。
オキシ(オキシダント)の使い方と選び方

染めたい仕上がりの明るさや髪質に応じて、適切なオキシ(酸化剤)の濃度を選ぶことが重要です。
イゴラオキシジェンタ(2剤)は1.5%、3%、6%の濃度が揃っており、一般的な白髪染めや通常のトーンアップには6%(20vol相当)のオキシジェンタを使うケースが多く、適度な明るさと発色が得られます。
明るさを変えずに色味だけ入れたいトーンオントーンカラーやトーンダウンには3%(10vol)やさらに低濃度のオキシを用いることで、余分な脱色を防ぎながら着実に色を入れられます。
逆に黒髪を明るくしたい場合や染まりにくい髪質には6%以上の高濃度オキシ(例:9%(30vol))を使用してリフト力を高めます。
ただし高濃度になるほど髪への負担も増すため、髪のコンディションに注意しながら最適なオキシを選択しましょう。
カラーレシピの一例(白髪染め・トーンダウン・ニュアンスチェンジ)

白髪染めでは、希望のファッションカラーに自然色(ナチュラル)を適量ミックスして白髪をしっかりカバーします。
例えば明るめの7レベルの栗色に染めたい場合、7-0(ナチュラル)と7-77(ブラウン系)を2:1の割合で配合し、6%オキシで染めるレシピが効果的です。
トーンダウン(暗く染める)の際には、明るい髪に色を入れるため下地となる色素(ゴールドやオレンジ系)を補給してから希望の暗い色を重ねると、沈まず綺麗に発色します。
またトーンダウン時は3%等の低いオキシを用いることで、必要以上に明るくならず狙ったトーンに落ち着かせることができます。
ニュアンスチェンジでは、大幅な明度変更を伴わないため、イゴラVibranceなどの弱い薬剤やクリア剤を活用し、既存の色に透明感や別の色味ニュアンスをプラスするようなレシピがおすすめです。
カラーワークスやペーパー、トリートメント・クリアなどの周辺アイテムとの併用法
イゴラの周辺アイテム(カラーワークス、カラー用ペーパー、トリートメント・クリア)を併用することで、カラー表現の幅が格段に広がります。
イゴラ カラーワークスはブリーチ後の髪に直接塗布できる塩基性カラー剤で、ピンクやブルーなど原色に近いビビッドカラーを発色します。
ホワイトのトリートメント・クリアと混ぜることでパステル調の淡い色味に調整することも可能で、通常の酸化染料では出せない繊細な色表現に役立ちます。
カラーリングペーパーは、ハイライトや多色染めの際にアルミホイルの代わりに使用できる専用シートです。
ペーパーで毛束を挟んで区切ることで染料の滲み込みを防ぎ、複数の色を同時に塗布するようなカラーデザインでも施術しやすくなります。
これらのアイテムを上手に活用し、鮮やかなポイントカラーや透明感あるカラーリング、色移り防止などを実現しましょう。