ブリーチ剤は「髪の明度を一気に上げる化学反応」を利用した薬剤です。
美容室でもセルフでも扱える一方、正しい配合比率とアフターケアが結果を左右します。
本記事では美容師目線のリアルな比較と、失敗しないコツを網羅しました。
ブリーチ剤の基本|過酸化水素とアルカリのメカニズム

ブリーチ剤は過酸化水素(水素パーオキシド)とアルカリ剤を一剤・二剤で混合して使います。
活性酸素がメラニン色素を酸化分解し、髪が明るくなる仕組みです。
アルミホイルを併用する「包みブリーチ」は熱を保持し反応を均一化します。
パウダー vs クリーム vs ケアブリーチ|タイプ別比較表

タイプ | 主な用途 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
パウダー | ハイトーン・インナーカラー | 強力・短時間 | 粉飛び・乾燥 |
クリーム | リタッチ・顔周り | 密着・塗りやすい | リフト力は中程度 |
ケアブリーチ | ダメージ最小化 | ジカルボン酸系成分で切断を抑制 | コスト高 |
業務用と市販品の違い

- 成分濃度が高く、業務用は発色が早い
- 市販品は安全域を広く取り、初心者でも扱いやすい処方
- 開封後はどちらも3〜6か月を目安に使い切りが推奨
推奨配合比率とオキシ濃度目安

一般的な配合は「ブリーチ剤1 : オキシ2(1剤:2剤)」が基本です。
・ファーストブリーチ → 6%オキシ
・リタッチ / ウィッグ → 3%オキシ
・ケアブリーチ → 2.8%以下でじっくり処理
金髪坊主など毛量が少ない場合も塗布量は耳かき3杯/1cm²が目安です。
髪の長さ別・必要量の早見表
スタイル | 目安量 |
---|---|
ショート(メンズ含む) | パウダー20g + オキシ40g |
ミディアム | パウダー30g + オキシ60g |
ロング | パウダー40g + オキシ80g |
フルウィッグ | パウダー50g + オキシ100g |
ブリーチ後のケア

- シャンプーはアミノ酸系 + 紫パウダー入りで色残りをサポート
- 週2回の濃密トリートメントでキューティクルを補修
- ドライ前にオイルを1〜2滴、熱変性をブロック
トラブルQ&A|顔・首・服についた場合の落とし方

- Q. 皮膚についたら?
- すぐに弱酸性のクレンジングオイルで優しくオフ → 冷水で鎮静。
- Q. 服に付着した青色染みは?
- 酸素系漂白剤+40℃浸け置き→クリーニング店へ。
- Q. 洗い残しで黄ばむ?
- アルカリを中和する(pH3.5のリンス)で再洗浄。
美容師が選ぶおすすめ業務用ブリーチ剤3選
シュワルツコフ ファイバープレックス クレイブリーチ

超高粘度で液だれしにくく、根元ギリギリの塗布でもラインがにじみません。
ボンドテクノロジーが内部結合を補強し、切れ毛を最小限に抑えます。
最大7レベルの安定リフトで、ハイライトやバレイヤージュ施術に最適です。
低臭処方で施術中のストレスを軽減します。
ナプラ アクセスフリー パウダーブリーチ(ケアブリーチ)

ノンダスト処方で粉飛散を防ぎ、サロン環境をクリーンに保ちます。
ジマレイン酸配合により枝毛・切れ毛を抑制し、ブリーチ後の手触りを向上させます。
コストパフォーマンスが高く、日常的なブリーチワークに導入しやすいです。
発色が予測しやすく、リタッチや部分ブリーチでも安心して使えます。
ウエラ ブロンダー マルチブロンド パウダー(ブルー)

ブルーパウダーが黄・オレンジ味を強力に補正し、クリアなハイトーンを実現します。
30 分で最大15レベルのハイリフトが可能で、時間短縮に貢献します。
微粉設計でダマになりにくく、スムーズに混ざります。
放置中も乾きにくいので、ムラのない均一な明度を保ちます。
まとめ

ブリーチ成功の鍵は「適切な薬剤選び・正確な配合・徹底ケア」の3点です。
期限内の新鮮な剤を使い、比率を守り、ダメージレス処方を活用しましょう。
理想のカラーを実現しつつ、美しい髪をキープできます。