今回は、アルティストカラーについて徹底解説します！
サロンワークですぐ役立つ技術や提案方法を紹介するので、ぜひチェックしてくださいね。
アルティストカラーとは
資生堂プロフェッショナルが開発したアルティストカラーは、日本人特有の赤みや硬さを考慮した次世代ヘアカラー剤です。
低アルカリ処方とマイクロオイルイン技術により、髪へのダメージを最小限に抑えながらもしっかりとしたリフト力を備えています。
そのため、ブリーチなしでも柔らかな透明感が得られ、白髪へのアプローチにも優れた使い勝手が特徴です。
色落ちの過程も美しく、染めたてから退色後まで楽しめるため、サロンワークでのリピート率向上に一役買っています。
また、ニュートラルグレーをベースにしたカラー設計が多く、赤味や黄味を程よく抑えた落ち着いた仕上がりが魅力です。
従来の白髪染めより軽やかなテクスチャーで、幅広い世代のお客様に提案できる点も見逃せません。
特に「明るめのグレージュにしたい」「白髪をぼかしておしゃれを楽しみたい」というニーズに応えやすく、サロンメニューの拡充にも活用しやすいカラー剤です。
アルティストカラーを導入することで、色持ちの良さや艶感といった付加価値をアピールでき、差別化につなげることができるでしょう。
アルティストカラーの技術的特徴
アルティストカラーの最大の特長は「低アルカリ＆マイクロオイルイン処方」です。
必要最低限のアルカリ量で染料を髪の内部に届けるため、キューティクルへのダメージを抑えつつもしっかり発色をかなえます。
さらに、オイルが毛髪内部で働くことで、ブリーチのように強力な脱色をしなくても、ある程度の明るさを確保できます。
この仕組みによって、日本人の硬くて赤みが強い黒髪でも透明感のあるカラーに仕上げやすく、色落ちの段階でも赤味・黄味が出にくいのが利点です。
また、白髪がある場合でも、完全に染め潰すのではなくぼかすようなニュアンスカラーが可能で、ファッションカラーとグレイカラーの中間的な役割を果たします。
独自の「ラスティングプロテクションベール」により、退色しにくく、色の鮮やかさが長続きする点も見逃せません。
これにより、次回来店までの期間においてもお客様が髪色を楽しめるため、サロンワークのモチベーション向上や顧客満足度アップにつながるでしょう。
ダメージレスと色持ちを高いレベルで両立するアルティストカラーは、今後も注目を集め続けることが予想されます。
カラーチャートとトレンドカラー
アルティストカラーは、赤みを抑えたグレーベースや、柔らかいベージュ寄りのアッシュなど、幅広い色味が取りそろえられています。
特に人気が高いのがグレージュやトープグレージュなどのスモーキー系カラーで、髪に落ち着いたくすみ感と透明感を同時に与える点が魅力です。
また、ピンクやバイオレット系の色味もブリーチなしでしっかり発色し、髪表面に艶を与えながら甘く華やかな印象を演出できます。
カラーチャートでは、同じアッシュ系でも明度と彩度が異なる複数のラインナップが用意されており、個々のニーズや髪質に合わせて微調整が可能です。
さらに、アルティストカラーは色相の幅だけでなく、明度の幅も充実しているため、根元から毛先までグラデーションを作るといったデザインカラーにも応用がしやすいです。
サロンでは、お客様の希望や骨格、髪質に合わせて最適なトーンを提案できるのが強みとなります。
カウンセリング時にカラーチャートを活用して仕上がりをイメージしやすくすることで、お客様の安心感が高まり、施術後の満足度も向上します。
トレンドを押さえた色味提案ができるアルティストカラーは、時代に合ったおしゃれを求める多くの方に支持され続けています。
他のカラー剤との違い
近年、ヘアカラー市場では高発色とダメージレスを兼ね備えた製品が多く登場していますが、アルティストカラーは資生堂独自の技術を活かしたアプローチが特徴的です。
ウエラのイルミナカラーやミルボンのアディクシーカラー、ロレアルのイノアカラーなど、各ブランドごとに処方や発色に独自性があります。
アルティストカラーは、低アルカリ処方とオイルを併用することで髪内部への染料浸透を促しつつ、程よいリフト力をキープします。
そのため、ブリーチなしでも色の幅を広く表現でき、退色後の過程で嫌な赤味や黄味が出づらい仕上がりを実現します。
微妙な違いを理解し、サロンワークで使い分けることで、多様化するお客様のニーズに応じた最適なカラー提案ができるようになります。
それぞれのカラー剤の強みを把握しつつ、アルティストカラーの得意分野を的確に見極めることが、美容師のスキルアップにも直結するでしょう。
イルミナカラーとの違い
イルミナカラーはその名の通り、光が差し込んだような透明感と艶やかさを重視した処方が魅力です。
従来のヘアカラーで問題となりがちな金属イオンのキューティクルダメージを軽減し、まるで外国人風の柔らかな質感と輝きを再現します。
一方で、アルティストカラーは低アルカリでもしっかりと明度を上げつつ、ニュートラルグレーの色設計により日本人の髪に残りやすい赤味・黄味を穏やかに抑えます。
どちらもダメージレスと美しい透明感を志向していますが、イルミナカラーの方がやや艶やかな質感に特化しており、アルティストカラーは色持ちとニュアンスの幅に強みがある印象です。
また、イルミナカラーは発色の仕方が繊細なため、ベースの状態や施術時間によっては想定よりも明るく感じるケースもあります。
アルティストカラーはオイルによる浸透効率を生かして、比較的安定した仕上がりを得やすいと言われています。
サロンワークで両方を使い分ける場合には、「強い艶と透け感を求めるか」「退色後もくすみを残したいか」など、お客様がどのようなイメージを求めているかを見極めるのが重要です。
それぞれの強みを把握しながら最適な提案をすることで、施術後の満足度をより高められるでしょう。
アディクシー＆イノアカラーとの違い
ミルボンのアディクシーカラーは、高濃度の青味を配合し、日本人特有の赤味を強力に打ち消すことでクリアなアッシュを表現する製品です。
アルティストカラーも赤味を抑える傾向がありますが、アディクシーほど強い青味ではないため、仕上がりの雰囲気が若干異なります。
逆に言えば、アルティストカラーはよりベージュ感やグレージュ感を残しつつ、柔らかな透明感が得られる点が特徴です。
一方、ロレアルのイノアカラーはアンモニア無配合で頭皮への刺激が少なく、オイル主体で染料を浸透させる方式を採用しています。
ダメージレスという観点ではアルティストカラーも負けておらず、低アルカリ処方とオイル効果によって髪への負担を軽減するアプローチを取っています。
イノアカラーは独特のなめらかさと艶を生み出す一方、アルティストカラーはニュートラルな色設計でアンダートーンをコントロールしやすい点が強みです。
いずれのカラー剤も高機能であるがゆえに、髪の履歴や仕上がりイメージに合わせた使い分けが重要になります。
お客様が「くっきりとした青味アッシュ」を望むならアディクシー、「頭皮への刺激を極力抑えたい」ならイノア、「幅広いトーンで柔らかなくすみを楽しみたい」ならアルティストカラーといった提案が有効でしょう。
サロンワークでの活用方法
アルティストカラーは、黒髪から白髪まで幅広い髪質・髪色に対応でき、サロンワークの選択肢を大きく広げる製品です。
一般的にブリーチが必須とされてきた高明度カラーも、低アルカリ処方ながら高いリフト力を発揮して比較的明るく仕上げることが可能です。
さらに、白髪が混在する髪には白髪ぼかしという形で使うと、根元や表面の「チラホラ白髪」を自然にカバーできるため、お客様の年齢を問わず提案しやすいメリットがあります。
一方、退色時の発色コントロールがしやすい点も強みで、赤味や黄味が出にくいため長期間カラーを楽しみたいお客様に好評です。
また、白髪染めとファッションカラーをミックスしたい場合にも活用しやすく、全体の彩度を落とさずに気になる部分だけをしっかりカバーするといったテクニックも実現できます。
根元のリタッチ施術でも毛先とのなじみが良いため、施術時間を効率化できる点もサロンワーク上の大きなメリットです。
最近はインナーカラーやバレイヤージュなどデザイン性の高いカラーも求められますが、アルティストカラーは色持ちが良いためアート性の高いスタイルが長く維持できます。
サロンのメニュー構成に加えるだけでなく、既存メニューのクオリティを底上げするアイテムとしても注目されているカラー剤です。
ブリーチなしでの提案
日本人の黒髪は赤みが強く、ブリーチなしで透明感を出すのは難しいとされてきました。
しかし、アルティストカラーは低アルカリながらも高いリフト力と色素コントロール力を持ち、ブリーチなしでも柔らかなアッシュ系やベージュ系を実現しやすいのが魅力です。
特に、8〜10トーン程度の明るさであれば、赤みが出にくい仕上がりを狙いやすく、オフィスでも浮きにくい自然な透明感を表現できます。
ブリーチの工程を省略できるため、髪や頭皮へのダメージを軽減し、施術時間の短縮にもつながります。
ブリーチに抵抗がある方や、ダメージを最小限に抑えたいという方に向けて、アルティストカラーを活用した提案は非常に有効です。
さらに、暗めのトーンから明るめのトーンに少しずつステップアップすることで、髪質の変化を見ながらお客様に合わせた最適なカラー計画を立てることができます。
バージンヘアの方にとっても、初めてのカラーとして安心感が高いので、サロン側としては新規客獲得のきっかけ作りとしても活用できます。
カラー初心者からおしゃれ上級者まで対応できるポテンシャルを備えたカラー剤、それがアルティストカラーです。
白髪ぼかしや色落ちへの応用
近年注目される白髪ぼかしは、従来の白髪染めのようにすべてを隠すのではなく、あえて少しグレイ感を残して自然に仕上げる手法です。
アルティストカラーは発色が柔らかいので、白髪の部分に程よく色が乗り、コントラストが強くなりすぎない点が好評です。
これにより、加齢による「白髪を隠したい」ニーズと「明るく染めたい」ニーズの両方を同時に満たすことができます。
さらに、色落ちの過程でも赤味が出にくく、白髪交じりの髪であっても嫌な黄ばみが目立ちにくい利点があります。
色落ちを計算に入れたプランを提案できるため、サロンとしては「染めたてだけでなく、退色後も美しい」という付加価値を提供できるでしょう。
また、アルティストカラー専用のアフターケア商品を合わせて提案すれば、ホームケアで退色をさらに抑えられ、お客様が自宅でもサロン帰りのような仕上がりを維持しやすくなります。
もし白髪の割合が増えてきた場合でも、ファッションカラーとの併用で根元のみをしっかり染め、毛先にはアルティストカラーを活用するなど柔軟な施術が可能です。
こうした応用力の高さから、白髪世代の方々にもファッション性のあるカラーを提案し続けられるのがアルティストカラーの魅力です。
アルティストカラーを導入するメリットと注意点
サロンにアルティストカラーを導入することで得られる最大のメリットは、多様なニーズにワンストップで対応できる点です。
ブリーチなしでも高明度を目指せるため、時間や髪の負担を考慮した上での柔軟なカラー提案が可能になります。
また、低アルカリ処方ならではのダメージレス効果と色落ち時のきれいさは、お客様の満足度を上げ、リピーター獲得にも繋がります。
白髪交じりの方でも自然にぼかし、ファッショナブルなスタイルを維持できることから、幅広い年齢層にアプローチできる点も大きいです。
加えて、日本人特有の赤味を抑えやすい設計のため、外国人風カラーやスモーキー系カラーを好むトレンド志向のお客様にも応えられます。
一方、サロンスタッフ全員が薬剤特性をしっかり理解し、塗布手順や放置時間を適切に把握する必要があるので、導入時には教育が不可欠です。
また、既存のカラー剤との使い分けや相乗効果も考慮することで、施術メニューの幅が広がり、サロン全体のレベルアップが期待できます。
これらを踏まえてアルティストカラーをうまく活用すれば、差別化と顧客満足度の向上を同時に叶えることができるでしょう。
メリット
第一に、ダメージを抑えつつも高明度が出せることは、ブリーチに抵抗があるお客様にも提案の幅を広げる大きな利点です。
第二に、ニュートラルグレーベースによる赤味・黄味の抑制効果が高く、透明感のあるくすみ系カラーを安定して表現できる点もサロンワークを助けます。
第三に、色持ちの良さと退色過程の美しさが評価されており、サロンとしては「長く楽しめるカラー」として付加価値を提供できます。
また、白髪へのぼかし提案ができるため、ファッションカラーと白髪染めの中間を求めるお客様にも対応可能です。
加えて、アルティストカラーは放置時間が比較的短めでも発色しやすいため、サロンの施術効率が向上し、回転率アップにもつながります。
さらに、仕上がりに自然なツヤと柔らかさを与えるため、撮影やSNS映えなど視覚的な効果を重視するお客様にも満足度が高いと言えます。
こうしたメリットの数々が、アルティストカラーを他製品との差別化要因として確立させています。
総合的にみて、ダメージレスと高品質な仕上がりを両立しつつ、多彩なカラーデザインを展開できる点は、サロンにとって大きな強みとなるでしょう。
デメリット・注意点
まず、アルカリ量が抑えられている分、リフト力に限界がある場合もあり、極端に明るいカラーを希望する際にはブリーチが必要となる可能性があります。
また、白髪を完全に隠すことには向かず、あくまで「白髪ぼかし」程度にとどまることが多いので、100％の白髪カバーを求めるお客様には他の製品を使い分ける必要があります。
さらに、カラー特性を理解していないと、狙った色味よりも若干グレーが強く出たり、逆に赤味が残るケースがあるため、事前のテスト施術やカラーチャートの確認が欠かせません。
また、イルミナカラーやアディクシーカラー、イノアカラーなど、似たコンセプトの高機能カラー剤も多数存在するため、サロンでの導入コストや在庫管理について検討する必要があります。
加えて、オイル処方によるメリットがある半面、放置時間や塗布量を誤るとムラ染めのリスクが高まる場合もあるため、スタッフ間で施術プロセスを統一することが望ましいです。
色落ちが緩やかな一方で、わずかにくすみが強く残る傾向があり、明るく退色させたい方には物足りなく感じられる可能性もあります。
これらの注意点を把握し、十分な知識と経験を積んだ上で運用すれば、アルティストカラーのパフォーマンスを最大限に引き出せるでしょう。
サロンのコンセプトや顧客層に合致するかどうかを見極め、必要に応じて他のカラー剤とのハイブリッド運用を検討するのが理想的です。
