オルディーブの基本情報と活用方法

オルディーブは、プロ向けヘアケアメーカーであるミルボンが展開する業務用ヘアカラーシリーズです。
日本人の髪質や好みに合わせて開発されており、豊富な色数と質感表現のバリエーションが魅力です。
サロンカラーを楽しむすべての女性の「なりたい色」を叶えることを目指し、上質かつ繊細な発色を実現します。

例えば、ツヤ感や手触りを向上させる保湿成分や毛髪補修成分が配合され、カラーリング後の髪の質感にも配慮されています。
国内最大級のラインナップを誇り、低アルカリ処方のマイルドなカラーから白髪もしっかり染まるグレイカラーまで、多彩なニーズに対応できる点も特徴です。

オルディーブの技術・成分的な特徴

引用:ミルボン公式サイト

技術的な特徴としては、酸化染料を用いた永久染毛剤であるため髪内部までしっかり染まり、色持ちに優れる反面、頭皮や髪への刺激も考慮されています。
ミルボン独自の「TPコンプレックス」など先進技術を採用し、髪のダメージを抑えながら発色を高める処方がなされています。
カラー剤の染料配合にも工夫があり、ブラウンの染料量をコントロールすることで日本人特有の赤みを打ち消し、クリアな色表現が可能です。

一方で、高発色ゆえに退色の早さを指摘する声もあり、鮮やかな色味を長持ちさせるためのアフターケア(カラートリートメントや専用シャンプーの使用)が推奨されます。
総じてオルディーブは、美しい発色と質感表現に優れたプロフェッショナルカラーであり、日本のサロンワークにおいて定番かつ信頼性の高いブランドと言えるでしょう。

オルディーブの最新カラーチャート情報

オルディーブシリーズは定期的に新色や新ラインを発表しており、常にトレンドをリードしています。
近年注目を集めているのが「オルディーブ アディクシー」「オルディーブ クリスタル」です。
アディクシーは、高彩度のブルーをベースに配合したカラーラインで、従来のヘアカラーに含まれる赤みやブラウン味を抑え、日本人の髪でも透明感のある発色を実現しました。

発売以来、赤味を消した外国人風のクリアなカラーが楽しめると評判で、サロンでも若年層を中心に人気が高まっています。
一方のクリスタルは、大人世代のための明るい白髪染めラインで、ファッションカラーのような鮮やかさと白髪への染着力を両立したハイブリッドシリーズです。

アディクシーのカラーチャート

引用:カラデジ公式サイト

最新のカラーチャートでは、アディクシーラインの各カラーの特徴が明確に示されています。
例えばサファイア(濃厚なアッシュブルー)やグレーパール・シルバーといった寒色系は、髪の赤みをしっかり打ち消しつつ柔らかなくすみ感を与えるため、透明感重視のデザインに最適です。
ピンクやアメジスト(紫系)などのカラーも揃い、単色使いはもちろんミックスしてオリジナルカラーを作ることも可能です。

アディクシーはどの色味・明度レベルでもブラウンを極力排除した処方になっており、カラーチャート上でも従来のカラー剤にはないクリアな色味が確認できます。
これにより「ブリーチなしでも透け感のある発色」を謳う通り、地毛の明るさレベル次第ではブリーチせずとも十分にトレンドカラーを楽しめる点がサロンでの活用ポイントです。

クリスタルのカラーチャート

引用:カラデジ公式サイト

クリスタルのカラーチャートには、白髪を明るく染めるための上品なカラーラインナップが掲載されています。
代表的な色としてロイヤルベージュ(柔らかなベージュ)、トープグレージュ(上品なくすみ系グレージュ)、セルリアンブルー(澄んだ都会的ブルー)、オパールグリーン(赤味消しのミントグリーン)、キャンディピンク(華やかなピンク)など、白髪染めとは思えないほど鮮やかな色調が揃っています。

各カラーには適度なブラウンが配合されており、明るさと白髪への染まりを両立しているのが特徴です。
特にハイブライトシリーズではブラウンの配合量を最低限に抑えて彩度を高めており、白髪の多い髪でもファッションカラーのような鮮やかさを楽しめます。

さらにクリスタルラインには、施術時間を短縮する「クイックブースター」といった専用アイテムも用意されており、忙しいサロンワークでも効率よく高明度の白髪染めができる工夫がなされています。

白髪染め対応のカラーラインナップとしては、従来のオルディーブ グレイカラー(自然なブラウン系でしっかり染め上げるライン)や、赤みを抑えたオルディーブ シーディルなどもありますが、クリスタルはそれらと一線を画す「明るさと彩り」を追求したシリーズとして位置付けられています。

カラーワークの活用法と他社比較

オルディーブのカラー剤は技術的な先進性でも知られています。
例えばピンク系カラーの活用では、オルディーブならではの柔らかい発色と退色時の美しさが活かせます。

一般的にピンク系はブリーチ毛に乗せると鮮やかに発色しますが、オルディーブのフェミニティピンクなどはバイオレット寄りの処方になっており、染めたては上品なベージュピンク、退色過程でも黄ばみにくくギラつきの少ないフェードを実現します。
このため、鮮やかなピンクを楽しみたいお客様にも色落ちまで考慮した提案が可能です。

同様にシルバー系カラーもトレンドですが、オルディーブのシルバー(灰色)は単品では透明感のあるグレイッシュな仕上がりになるため、黄味の残った髪のトーン調整にも使えます。
しっかりと発色させるにはブリーチでベースを明るく整える必要がありますが、アディクシーラインのシルバーやグレーパールを活用すれば、ワンブリーチ程度でも赤味・黄味を抑えた柔らかなシルバーカラーを表現できます。

クリスタルカラーの活用法

近年注目のクリスタルカラー(オルディーブ クリスタルシリーズのカラー)は、白髪世代にもファッション性を提供できる点で技術的ブレイクスルーと言えます。
アルカリカラーとノンアルカリカラーを組み合わせたハイブリッド処方により、根元から毛先まで均一に明るく染めつつダメージを最小限に抑えることが可能です。

具体的には、根元付近の新生部はアルカリカラーでしっかりリフトし白髪をカバー、毛先の既染部はノンアルカリの弱酸性カラーで色味を補給する、といった使い分けが提案されています。
この技術により、従来は難しかった「白髪染めしながら全体をハイトーンカラーにする」というカラーデザインも現実的になりました。

カラーリストにとっては、お客様の髪の状態に合わせてアルカリと酸性カラーを使い分ける高度なテクニックとなりますが、オルディーブのシステムを活用すれば比較的シンプルな工程でそれが実現できるよう工夫されています。

他メーカーのカラー剤との比較

他メーカーのカラー剤との比較では、各ブランドごとに得意分野があります。
例えばツヤ感重視ならウエラのイルミナカラー、ダメージケアや長持ちならロレアルのイノアといった評価が一般的に知られています。

オルディーブもそうした競合の長所を研究し、自社のカラー剤に反映させています。
実際、アディクシーラインの「短時間で染まる処方」は施術時間を大幅に短縮し、約10~15分の放置で発色するため忙しいサロンワークで重宝されています(一般的なカラー剤は20~30分程度)。

また、イルミナカラーに匹敵するツヤを与えるオイル成分配合や、イノアに通じる刺激の少ない処方(アンモニア臭の軽減など)もラインによっては取り入れられており、総合的に見てオルディーブはバランスの取れた優秀なカラー剤ラインと言えます。

他社製品との大きな違いとして、ミルボンは日本人の髪質データを活かしたカラー開発を行っている点が挙げられ、お客様一人ひとりの髪質や求める色に細かく応える調整幅の広さもオルディーブの強みでしょう。

白髪染めとファッションカラーの組み合わせテクニック

白髪染めとファッションカラーの組み合わせテクニックも、現代のサロンワークでは欠かせません。
オルディーブのグレイカラー(白髪染め用カラー)は単独でもしっかり染まりますが、そこにアディクシーなどファッションラインの色味をミックスすることで、白髪もしっかり隠しつつおしゃれな色味を表現することができます。

例えば白髪比率の多いお客様には、まず自然色系(Nライン)を主体に配合しつつ、一部にごく少量のピンクやアッシュを混ぜてあげることで、地毛を暗くしすぎず柔らかなニュアンスをプラスするといった調合が有効です。

白髪が少なめで明るくしたい場合には、根元は白髪用カラーでしっかりカバーし、中間~毛先はアディクシーのような高彩度カラーで染め分ける「ツータッチ技法」も活用されます。
このように配合や塗布を工夫することで、白髪世代でも妥協せず好きな色を楽しめる提案が可能となり、サロンにとっても顧客満足度を高める重要なテクニックとなっています。

ヘアマニキュア(酸性染毛料)との使い分け

引用:カラデジ公式サイト

ヘアマニキュア(酸性染毛料)との使い分けについても触れておきます。
オルディーブのような酸化染料を使うヘアカラーは、2剤(過酸化水素)と混ぜて髪の内部で発色させるため、明るく色を変えたり白髪をしっかり染めたりできるメリットがあります。

一方でヘアマニキュアはアルカリを含まない酸性カラーで、髪の表面付近をコーティングするように染めるためダメージが極めて少なく、ツヤが出やすい反面、地毛の明るさを変えることはできません。
白髪にはうっすらと色が乗る程度なので、白髪を活かしたデザインや一時的なおしゃれ染めに向いています。

オルディーブ ルドレス(Ledress)のようにマニキュア染料を活用したラインもあり、こちらは髪への負担を抑えながら発色を良くするためにハチミツやボタニカルオイルを配合し、染料が髪から流出しにくい処方となっています。

ヘアマニキュア単体では難しい色持ちの改善や発色の調整も、オルディーブの技術であれば可能であり、目的に応じて酸化染毛剤と酸性染毛料を使い分けることで幅広いカラー提案が実現できるでしょう。

サロンワークでの実践的な活用方法

オルディーブのカラーチャートを活用したカウンセリングは、サロンワークの重要なステップです。
まずお客様の希望する仕上がりイメージを丁寧にヒアリングし、カラーチャートの色見本を一緒に見ながら理想の色味をすり合わせます。

オルディーブの豊富な色展開のおかげで、「この色とこの色の中間ぐらい」「もう少し赤みを抑えた感じ」といった細かなニュアンスも視覚的に共有できます。
特に白髪染めが必要な場合などは、カラーチャート上でファッションカラー系の色とグレイカラー系の色を見比べながら、「白髪はこのくらいカバーしつつ、色味はこれくらい明るく」と具体的に提案することで、お客様も仕上がりをイメージしやすくなります。

カウンセリングのポイントは、カラーリング後のイメージだけでなく色落ちしてきたときの変化や次回来店の目安、ホームケア方法なども説明し、お客様に安心してカラーを任せてもらうことです。

施術のコツ

施術のコツとしては、塗布テクニックと放置時間の工夫が挙げられます。
オルディーブは発色が良い分ムラにならないよう均一な塗布が重要で、根元から毛先までたっぷりと薬剤を行き渡らせるようにします。

特にアディクシーのような高彩度カラーは放置時間が比較的短く設定できるため、塗布に手間取ると発色のタイミングがずれてしまうことがあります。
そのため手早くセクショニングごとに塗り進め、全体を均一に染め上げることを心がけます。

白髪染めの場合は、染まりにくい生え際や分け目の白髪から先に塗布し十分な放置時間を確保する、逆に明るめのファッションカラーを毛先に使う場合は発色を見ながら早めに流す、といった時間差コントロールも効果的です。

薬剤選定の工夫

薬剤選定の工夫として、髪のコンディションや履歴に合わせた処方が欠かせません。
例えば毛先が過去のカラーで明るくなっている場合は、同じ色味でも根元と毛先で薬剤の明度や配合を変える「カラーコントロールテクニック」が有効です。

オルディーブの1剤と2剤の配合比率(通常1:1ですが、クリスタルハイブライトでは1:2など)を調節したり、必要に応じて混合するオキシ(過酸化水素濃度)を変えたりすることで、染まり具合を細かくコントロールできます。

例えば、根元の新生部は6%オキシでしっかり染めつつ毛先は3%でマイルドに染める、あるいは色持ちを良くするために専用のトリートメント剤を併用する、といった応用もサロンワークでは行われています。

このような施術上の工夫により、オルディーブの性能を最大限に引き出し、ムラのない美しい仕上がりと色持ちの向上を両立させることが可能です。

顧客に合わせてオルディーブの色選びをしよう

最後に、顧客に合わせた色選びの提案についてです。
オルディーブのカラーバリエーションが豊富だからこそ、お客様一人ひとりにベストな色を提案できるチャンスがあります。

肌の色や瞳の色からパーソナルカラーを診断し、それに調和する色味を提案するのも効果的です(たとえば肌がイエローベースの方にはアッシュやマットよりもピンクベージュ系が似合う等)。
また、ライフスタイルも考慮します。
派手すぎる色が難しい職場の方には落ち着いたブラウンにさりげなく赤味をしのばせる、逆におしゃれを思い切り楽しみたい方にはハイライトやインナーカラーでビビッドな色を差し込むなど、自由度は無限大です。

白髪が気になり始めたお客様には、暗く染めるだけでなく明るめハイライトを入れてぼかす提案や、クリスタルシリーズでトーンアップしながら染める新発想を紹介することで、前向きにカラーを楽しんでいただけます。
このように、オルディーブのカラーチャートと製品特性を最大限に活用することで、サロンワークにおいてお客様それぞれに合ったカラーリングを創造し、満足度の高い仕上がりを提供できるでしょう。

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