「キャラデコ (caradeco)」は、中野製薬が提供するプロフェッショナル向けのヘアカラー剤ブランドです。
50年以上の歴史を持つメーカーが手掛ける高品質なカラー剤で、豊富な色相と安定した発色が特徴となっています。
特に同じレベル(明るさ)の色であれば彩度(色の鮮やかさ)が統一されており、直感的にミックスしやすいよう設計されています。
さらに、カラー剤の処方として髪を明るくする際に余分な赤味を残さない工夫がされており、日本人特有の赤みを抑えて透明感のある仕上がりを実現できます。
アクリル系カラーの高彩度と発色

キャラデコの中でも注目すべきが「アクリルカラー」シリーズです。
これはまるでアクリル絵の具のようにビビッドでクリアな発色をする高彩度ラインで、蛍光色のような鮮やかさと人工的なネオン感が得られるのが特徴です。
従来、ビビッドなカラー表現には塩基性カラー(マニキュアやカラーバター等)を使う必要がありましたが、キャラデコ アクリルカラーは酸化染毛剤(アルカリカラー)でこれを実現しています。
そのためブリーチ後に直接染料を乗せる二度手間を省け、根元から塗布しても頭皮に色が残りにくく施術が簡略化できます。
例えば「アクリルピンク」「アクリルオレンジ」「アクリルブルー」などのカラーは、ブリーチベースでも濁りなく発色し、アクセサリー感覚で髪色にポップなアクセントを加えることができます。
白髪染めに適したグレイカラーライン

キャラデコにはおしゃれ染めだけでなく、白髪染め用途に特化したラインナップも存在します。
それが「グレイカラー」用のシリーズ(キャラデコ パブェなど)です。
グレイカラーラインではブラウン系を中心とした色相が揃えられており、白髪にしっかり染料を入れて浮きにくくする処方になっています。
低アルカリで髪への負担を抑えつつ、白髪をカバーしながらファッション性も演出できるのがメリットです。
「ファーストグレイ(初期の白髪)」対応の穏やかな染まりの色も用意されており、白髪染めでも明るさや色味を楽しみたいお客様に最適です。
白髪染め=暗い色一辺倒ではなく、キャラデコならピンクブラウンやソフトグレージュなど白髪をぼかしつつおしゃれな色味を表現できるため、ミセス世代にも好評です。
ピンク・シルバー・ミルキー・グレージュなどトレンド色の特性
昨今人気のヘアカラートレンドであるピンク、シルバー、ミルキー、グレージュといった色味も、キャラデコなら思い通りに表現できます。
それぞれの色特性とキャラデコでの再現性について解説します。
- ピンク系: キャラデコのピンクは柔らかな透明感から鮮やかなビビッドピンクまで表現可能です。
例えば「P/v(ピンク・ビビッド)」は赤みの強いはっきりとした発色で人気ナンバー1の定番カラーです。
一方で「ミュゼリア P(ピンク)」のようなラインは蛍光すぎないソフトなピンクで、艶と透け感のある仕上がりになります。
単品で鮮やかに発色させることもできますし、ベージュ系と混ぜてピンクベージュのようなニュアンスカラーにすることもできます。 - シルバー系: シルバーカラーは髪にくすみのないクールな輝きを与える人気色です。
キャラデコでは高明度のアッシュグレーやシルバー系のカラー剤が揃っており、ブリーチベースに乗せることで金髪の黄色味を抑えて上品なシルバーに仕上げられます。
例えば専用の「シルバー」カラー剤や高彩度アッシュを用いることで、メタリックな透明感のあるグレーが表現できます。
従来難しいとされたホワイトシルバーも、キャラデコの高明度カラーやコントラストデザインライン(例:「ホワイト」「ペールシルバー」など)を使えば1本で淡い発色を再現可能です。 - ミルキー系: ミルキーカラーとはミルクティーベージュやラベンダーベージュなど、乳白色がかった柔らかい色味を指します。
キャラデコカラーは彩度を抑えたモデレートカラー(中彩度ライン)も充実しており、これを使うことでふんわりとくすみのある柔らかな発色が可能です。
例えばベージュ系に少量のピンクやパープルを混ぜてミルクティーピンクにしたり、アッシュにクリア剤を混ぜてくすみ感を調整することで、お客様の肌になじむ優しい色合いを作れます。 - グレージュ系: グレージュはグレーとベージュを組み合わせたニュアンスカラーで、ここ数年定番の人気です。
キャラデコではアッシュ(青み灰色)とベージュ系のカラーを組み合わせることでグレージュを作りやすく、赤味を抑える処方のおかげで濁りのない上品なグレージュに仕上がります。
例えばスモーキーアッシュにナチュラルブラウンを混ぜる、または新ラインの「シアーナチュラル」をベースに少しモーヴ系を加えるなど、配合次第で絶妙な透け感グレージュが表現できます。
白髪がある場合でもブラウンベースのグレージュでカバーすれば、白髪を活かしたおしゃれなシルバーグレージュにもなります。
カラーチャートの見方と活用法
キャラデコのカラーチャートは種類豊富な色を体系的にまとめており、美容師が目的の色を探しやすい工夫がされています。
ここではカラーチャートの基本的な見方と、サロンワークで役立つ活用のコツを解説します。
キャラデコ カラーチャートの基本構成

キャラデコのカラーラインには「ミュゼリア」(ファッションカラー高彩度ライン)、「モデレートカラー」(中彩度で落ち着いたライン)、「パブェ」(グレイカラーライン)、「アクリルカラー」(高彩度アクセントライン)など複数があります。
カラーチャートではそれぞれのラインがトーン(明るさレベル)別・色相別に並んでおり、例えばレベル8なら8レベルの各色(アッシュ8、ピンク8、ベージュ8等)が同じ列に並ぶように配置されています。
同じレベル同士は彩度も揃えてあるため、隣り合う色同士の違いや混色イメージが直感的につかみやすくなっています。
また一部のチャートでは、黒髪ベースに染めた場合と白髪ベースに染めた場合の仕上がりサンプルが併記されており、染まり上がりの違いを視覚的に確認できます。
これによりお客様の髪質やベーストーンに応じて、最適な色を選択しやすくなるのです。
色の組み合わせとミックスのコツ
カラーチャートを活用することで、思い通りの色を作るための配合のヒントが得られます。
色の組み合わせの基本は「補色」と「類似色」の活用です。
補色関係にある色を少量混ぜると不要な発色を打ち消しあい、クリアな発色になります。
一例として、ブリーチ後の黄色味が強い髪にピンク系を入れる場合、ピンクにほんの少しパープル(紫)を混ぜると黄味を抑えて綺麗なローズピンクになります。
また、類似色同士を混ぜると深みやニュアンスが増します。
例えばアッシュとマット(緑系)を組み合わせるとよりくすんだオリーブアッシュになり、ピンクとオレンジを混ぜればコーラル系の暖色ニュアンスが生まれます。
チャート上で隣り合う色や対角線上の色を参考に、少しずつ色味を調節してみましょう。
- 補色ミックスの例: オレンジ味を消したい→青系(アッシュやブルー)を少量混ぜる。
- 類似色ミックスの例: より赤みの強いピンクにしたい→ピンクに少量のレッドを足す。
- 彩度調整の例: パステル調にしたい→目的の色にクリア剤やナチュラル(無彩色)を混ぜて彩度ダウン。
キャラデコカラーは同ブランド内であれば混色しても濁りづらく設計されているため、思い切って複数の色をブレンドしてお客様の希望に近づけることができます。
ただし、一度に3色以上を混ぜすぎると理論が複雑になるため、基本は2色、最大でも3色程度に留め、微調整しながら理想の色味を作りましょう。
アクセントカラーの使い方
ヘアデザインにおいて一部だけ鮮やかな色を利かせる「アクセントカラー」は、お客様に新鮮な印象を与える有効な手段です。
キャラデコの場合、ビビッドなアクセント用カラー剤(高彩度ラインやアクリルカラー)を上手に活用することで、全体の調和を保ちつつポイントで目を引くカラーリングが可能です。
たとえばインナーカラーやハイライトにネオンピンクやパープルを用いて、その他の部分はベージュ系でまとめると個性的になりすぎずおしゃれな差し色ヘアが完成します。
アクセントカラーのもう一つの使い方は、カラー剤の調合における“隠し味”です。
メインの色に対してごく少量アクセントカラーを混ぜ込むことで、発色に深みや鮮やかさをプラスできます。
例えばブラウンに対しブルーのアクセントを数センチ混ぜれば赤味を抑えたよりくすんだ仕上がりに、逆にアッシュにピンクのアクセントを一滴混ぜればほんのりローズ感のあるニュアンスカラーになります。
キャラデコのアクセントラインは原色に近い色味が多く用意されているので、カラー調合のスパイスとしてぜひ活用してみてください。
オーダーメイド調合のポイント
お客様の希望する髪色を正確に再現するには、カラーチャートをガイドにしたオーダーメイド調合が重要です。
まずカウンセリングで「どんな色味になりたいか」「明るさはどの程度か」「持ち具合や髪のダメージ具合」などを確認します。
その上でカラーチャートから目標とする色に最も近いカラーを探しましょう。
ポイントは希望の色に対して足りない要素を補うように調合することです。
例えばお客様が「もう少し赤みのないベージュにしたい」と言えば、ベージュ系カラーにアッシュやマットをプラスして赤みを補正します。
「写真のようなラベンダーグレージュにしたい」と言われたら、スモーキーアッシュにバイオレットを混ぜつつ明るさレベルを合わせて調合します。
また、お客様の髪質や前履歴も考慮します。
以前のカラーの残留がある場合はそれも色味に影響するため、チャートにとらわれすぎず経験則で補正します。
例えば既にオレンジっぽく退色した髪に希望色がアッシュブラウンの場合、チャート上のアッシュブラウンよりも少し緑味のあるマット系を強めに配合する、といった調整です。
カラーチャートはあくまで目安として活用し、最終的には美容師の目で見た髪の状態と照らし合わせてレシピを決定することが大切です。
そして調合したカラー剤のテストピース(毛束)や、可能であればお客様の髪の一部で試染を行い、狙い通りの色になるか確認するとさらに安心です。
サロンワークでの応用
キャラデコカラーを実際のサロンワークで活かすためのポイントをまとめます。
施術の流れやテクニック、最新トレンドの提案方法、シチュエーション別のおすすめカラーなど、現場で役立つ知識を詳しく解説します。
施術プロセスの詳細

キャラデコカラーを用いたカラー施術の基本的な流れは以下の通りです。
- カウンセリング: お客様の要望する色味・明るさをヒアリングし、髪の状態をチェックします。
希望色にブリーチが必要か、白髪の有無、前回染めた履歴などを確認してプランを立てます。 - 前処理: 必要に応じてプレトリートメントや髪の保護剤を塗布します。
ダメージが気になる場合は、キャラデコ パブェラインのような保護成分配合カラー剤や、ケアブリーチを選択することで髪への負担を軽減します。 - カラー剤調合: カラーチャートとカウンセリング内容をもとにレシピを決定し、カラー剤をミキシングします。
アクリル系の鮮やかな色を使う場合は単品使用も可能ですが、必要に応じて他の色やクリア剤を混ぜて狙いの色味を作ります。 - 塗布: 適切なオキシ(2剤)濃度と塗布テクニックでカラー剤を髪全体に塗ります。
根元から毛先まで均一に発色させるため、塗布順序やタイミングを工夫します。
グラデーションやインナーカラーの場合は塗り分けを行い、複数のカラーを同時に使い分けます。 - 放置・チェック: 一定時間放置して発色を待ちます。
キャラデコカラーは発色が安定しており、指定時間できちんと染まりますが、髪質によって早めに発色する場合もあるため途中経過をチェックします。
必要なら加温または自然放置で時間調整します。 - 乳化・洗浄: 時間が来たら少量のぬるま湯で乳化し、染めムラがないよう馴染ませます。
その後しっかりすすぎ、カラーシャンプーで優しく洗います。
特にビビッドカラーを使用した場合は色落ちを防ぐため、過度なシャンプーは避けるかカラー専用シャンプーを使います。 - 後処理: 残留アルカリを除去しキューティクルを整える処理剤やトリートメントを施します。
キャラデコカラーの色持ちを高めるため、pHコントロールや毛髪保護の処理を怠りなく行います。 - 仕上げ: ドライヤーで乾かし、必要に応じてスタイリングします。
お客様と一緒に色味を確認し、光の下での見え方なども説明して納得いただきます。
以上が一連のプロセスですが、色味や髪質によってはブリーチ工程を追加する(ダブルカラー)、ハイライトを先に入れる、根元と毛先で薬剤を変える等のアレンジが入ります。
キャラデコカラーはカラーバリエーションが豊富なので、一度の塗布で多彩な染め分けをすることも可能です。
施術中はお客様とのコミュニケーションを図りつつ、色の浸透具合をチェックし、最適なタイミングで流すようにしましょう。
トレンドカラーの提案方法
流行のヘアカラーを上手に提案することは、美容師にとってお客様の満足度を高める重要なポイントです。
キャラデコのカラーチャートを活用すれば、最新トレンドを踏まえた提案がスムーズに行えます。
提案のコツはシーズンやファッションに合わせてトレンド色を取り入れることです。
例えば春先であれば桜を連想させるピンクベージュやラベンダーアッシュ、夏なら透明感たっぷりのシルバーアッシュやミントグリーン、秋冬には深みのあるボルドーやショコラブラウンにハイライトでスモーキーグレージュを足す、といった具合に季節感を意識します。
キャラデコの豊富なカラーバリエーションなら、これらトレンドカラーを実現する色剤が揃っているため、「今年は○○カラーが人気ですよ」「○○さんの肌色にはこの△△系が映えます」と具体的に伝えられます。
また、お客様自身が曖昧なイメージしか持っていない場合は、カラーチャートや施工例の写真を見せながら提案するのがおすすめです。
「このチャートのこの色がベースで、ここに少しピンクを混ぜると今流行りのグレージュになります」など視覚的に説明すると、お客様も完成図を想像しやすくなります。
さらにInstagramなどSNSで人気のヘアカラーをリサーチし、実際にキャラデコで再現するための調合レシピをいくつか用意しておくと提案の幅が広がります。
「透明感のあるオリーブベージュがお似合いだと思います。
キャラデコの新色シアーナチュラルを使うとブリーチなしでもこのくらい柔らかい色になりますよ」など、具体の商品名やメリットとともに提案しましょう。
トレンドカラー提案の際には、流行だけでなくお客様のパーソナルカラーやライフスタイルも考慮することが大切です。
派手すぎる色が難しい職場の場合は、内側だけトレンド色を入れる提案や、暗めだけど光に当たるとわかる程度のニュアンスカラーをおすすめするといった配慮も必要です。
キャラデコカラーのラインナップは幅広いので、ナチュラル派から個性派まで対応できます。
お客様に安心して挑戦してもらえるよう、施術後のイメージやメンテナンス方法まで含めて丁寧に説明し、信頼感のある提案を心がけましょう。
ケース別のおすすめカラー
様々なお客様のニーズに対して、キャラデコならではのアプローチで最適なカラーを提案できます。
以下にいくつかのケース別におすすめのカラーとテクニックを紹介します。
【白髪が気になり始めた30~40代】
提案カラー: 明るめの白髪ぼかしハイライト+ナチュラルブラウンベース
解説: 白髪をしっかり染めつつおしゃれ感も出すために、キャラデコ パブェのブラウン系でベースを染め、白髪の多い箇所に細めのハイライトを入れてぼかします。
ハイライト部分にはアッシュ系やベージュ系の明るい色をのせ、立体感と透明感をプラス。
こうすることで伸びてきても白髪が目立ちにくく、お洒落染めと白髪染めの中間のような仕上がりになります。
【ブリーチはしたくないが透明感カラーを楽しみたい】
提案カラー: シアーナチュラルシリーズによるダブルアッシュ系カラー
解説: 髪の明るさレベルを大きく変えずに透明感を出したい場合は、キャラデコ ミュゼリアの新ライン「シアーナチュラル」がおすすめです。
例えば「SN/m-9 シアーアッシュ」に「SN/m-9 シアーベージュ」をミックスして染めると、ブリーチなしでも柔らかなグレージュ系に仕上がります。
赤みを抑えた処方なので地毛の明るさを活かしつつもくすみ感が表現でき、オフィスでも浮かない上品な透明感カラーとなります。
【個性的で派手なカラーを楽しみたい10~20代】
提案カラー: アクリルカラーによるネオンカラーグラデーション
解説: 人とは違う目立つ髪色にしたい若いお客様には、ブリーチオンカラーでキャラデコ アクリルカラーの原色系を使ったデザインがおすすめです。
根元から中間はビビッドなアクリルレッド、毛先にかけてアクリルオレンジやアクリルピンクを重ねるグラデーションにすれば、動きが出るたびに色変化が楽しめる個性派スタイルに。
塩基性カラーを使わずアルカリカラーのみでここまで鮮やかな発色が可能なので、色ブレも少なくサロンワークで再現しやすいメリットがあります。
もちろんビビッドカラーは色落ちも早いので、その点も説明した上で提案しましょう。
【髪のダメージを抑えて艶カラーにしたい】
提案カラー: モデレートカラーによるベージュ系ワンメイク
解説: ブリーチはせず地毛のトーンアップ程度で艶やかなカラーにしたい場合、低アルカリのモデレートカラーラインが活躍します。
例えば7~8トーン程度の「ベビーピンク」や「モカベージュ」で全体を染めれば、トリートメントしたかのような柔らかい色ツヤが得られます。
キャラデコのカラー剤はアミノ酸などのケア成分も含まれており発色と同時に手触り改善も期待できます。
ダメージを最小限に抑えつつカラーを楽しみたいお客様に最適です。
具体的な色の紹介と比較
ここではキャラデコカラーの中でも特に人気の色や特徴的な色について取り上げ、他のカラー剤との比較や仕上がりイメージを紹介します。
キャラデコカラー人気色ベスト5
キャラデコの膨大な色数の中から、サロンで支持の高い色をいくつか挙げてみます。
- ピンク (P/v): キャラデコを代表するビビッドピンク。
発色の良さと可愛らしさで定番人気です。
単品で使えばしっかりとしたピンク色になり、ベージュと混ぜてピンクベージュにすればほんのり甘いニュアンスを表現できます。 - ガーネットレッド (GR/v): 深みのあるワインレッド系カラー。
ほんの少しパープルが配合されているためオレンジっぽくならず、落ち着いたボルドー調に染まります。
秋冬の人気色で、白髪にもファッションカラーにも対応できる万能な暖色です。 - アッシュグレー (A/**): シルバー系の代表格ともいえるアッシュグレー。
レベルの高さに応じて濃淡がありますが、いずれも赤みをしっかり打ち消してくれるカラーです。
特に高明度のアッシュはブリーチヘアに乗せると透明感抜群のシルバーグレイに。
低明度のものは地毛の赤茶を抑えてクールな暗髪に仕上がります。 - ミルクティーベージュ (Be/**): 柔らかいミルクティーのようなベージュカラー。
黄味と赤味のバランスが良く、どんな肌色にもマッチしやすい万能カラーです。
単品使用でナチュラルに、ピンクやバイオレットを1割程度混ぜてラベンダーベージュにするのも人気のレシピです。 - シアーナチュラル (SN/m): 最近登場した新ライン「シアーナチュラル」のナチュラルブラウン。
従来のブラウンよりもくすみが少なく透明感があるのが特徴です。
ファッションカラーと白髪染めの中間のような位置づけで、単品でも美しく染まりますが、他の色(ピンクやオレンジなど暖色)を混ぜても濁らないためニュアンスチェンジに便利です。
※上記の「A/**」「Be/**」などの表記は明るさレベルにより変わります(例:A-8やBe-10など)。
「v」や「m」はVivid(高彩度)やModerate(中彩度)のラインを示しています。
既存カラー剤との比較(メリット・デメリット)
キャラデコカラーの特徴を他の一般的なカラー剤と比較してみましょう。
- 発色の鮮やかさ: キャラデコは総じて染料の発色がクリアで鮮やかです。
他社の従来カラーではアッシュ系がやや緑がかったり、ピンク系が濁ったりしがちなところ、キャラデコは狙った色相がそのまま出やすい処方になっています。
特にアクリルカラーのビビッドさは従来のアルカリカラーにはないメリットです。
ただしその分、淡いニュアンスを出すには調整が必要で、彩度を落とすにはクリア剤やナチュラルカラーとのミックスが不可欠です。 - カラーバリエーション: 他ブランドと比較してもキャラデコの色数は非常に豊富です。
18色相×トーン展開とアクセントカラー、さらに新ラインまで含めると100種類以上に及ぶため、理想に近い色が見つかりやすい反面、初心者には選択肢が多すぎて難しく感じる場合もあります。
慣れてくると「この色とこの色を混ぜればあのブランドの○○に近い色が作れる」といった応用も効くようになります。 - ダメージケア: キャラデコ パブェなど白髪染めラインでは、毛髪補修成分(アミノ酸や油分)が配合されており、染めながら手触りを向上させる工夫があります。
他社の白髪染め専用剤と比べても遜色なく、むしろ低刺激でツンとした臭いが少ない利点があります。
一方でアクリルカラーなど高彩度ラインは色素が濃いため、放置時間や前処理を誤ると染まりすぎたりダメージを感じるケースもあるので、扱いには注意が必要です。 - コストパフォーマンス: 業務用カラー剤としての価格帯は他社製品と同等レベルですが、キャラデコは一剤80gチューブでミックスの自由度が高く無駄が出にくいです。
例えば、他社でビビッドな青を出すために専用染料を別途用意していたのが、キャラデコならアクリルブルー一つで代用できる、といった具合に道具を集約できます。
ただし高彩度色は使用頻度によっては余りが出やすいので、サロンの客層に応じた在庫管理が必要です。
仕上がりイメージと実例
実際にキャラデコカラーを使用した仕上がりの一例をイメージしてみましょう。
たとえば「P/v ピンク」をレベル9の明るさで黒髪に染めた場合、ほんのりと深みのあるローズブラウン調になります。
一方で同じ「P/v ピンク」を白髪の多い髪に9トーンで染めると、白髪部分は透明感のあるペールピンクに、黒髪部分は落ち着いたピンクブラウンに発色し、全体としては明るさのコントラストが少ないソフトなピンク系ブラウンになります。
このように、一つのカラー剤でも髪のベースによって印象が変わるため、カラーチャートの毛束サンプルでは黒髪・白髪それぞれに染めた状態が提示されています。
ブリーチオンで発色させた場合のイメージ

例えばレベル15(ほぼ白金)まで明るくした髪に「アクリルレモン(黄)」と「アクリルブルー」をツートンで染めると、ビビッドなライムグリーンとエレクトリックブルーのツートンカラーが出来上がります。
写真映えするファンタジックな色合いで、まさにアニメのキャラクターのような鮮烈な仕上がりです。
逆に、ノーブリーチで地毛レベル5(自然な黒髪)に「モデレートカラー ベビーピンク」を使用すれば、ほんのりと太陽光でピンク味を感じるか感じないか程度の微妙な変化になり、オフィスでも違和感のないニュアンスチェンジが楽しめます。
キャラデコ公式のインスタグラムやパンフレットには、こうした様々な色の仕上がり例が掲載されています。
サロンでお客様に見せながら説明すれば、「この色にしたい!」という具体的な希望を引き出す助けになるでしょう。
実例を参考にしつつ、自分のサロンワークでも独自のカラー配合を試してデータを蓄積していけば、キャラデコカラーを使いこなす幅もさらに広がります。
美容師向けのテクニックとアドバイス

キャラデコカラーの性能を最大限活かすためのテクニックや、色持ちを良くするコツ、そしてお客様へのホームケアアドバイスについてまとめます。
美容師として押さえておきたいポイントを確認しましょう。
発色を最大限に活かすブリーチや前処理

鮮やかな発色や高明度カラーを狙う場合、ブリーチ(脱色)の使い方が非常に重要です。
キャラデコカラーは高発色とはいえ、ベースの明るさや色素が仕上がりに大きく影響します。
例えばシルバー系やパステル系にしたいなら、髪をできるだけ明るい金髪(黄ばみの少ないレベル14以上)にブリーチしておく必要があります。
逆に深みのある暗い色を入れる場合でも、一度明るく色素を飛ばしてから目的の色を乗せたほうが澄んだ色味になることがあります(ダブルプロセスカラー)。
ブリーチ施術時には、ケアブリーチ剤やオラプレックスのような処理剤を併用して極力ダメージを抑え、発色にムラが出ないよう均一に明るくしましょう。
またカラー前の前処理として、髪のコンディションを整えることも大切です。
毛先が過度にダメージしている場合はタンパク質系のトリートメントで補強したり、逆に健康毛で硬い髪には薬剤の浸透を助ける軟化剤を使ったりします。
キャラデコカラーは比較的染着が良いとはいえ、髪の部位ごとに状態が違えば色ムラの原因になります。
そこで塗布前に全体にpH調整スプレーをかけておく、根元と毛先で異なる2剤濃度を使い分ける等の工夫で、均一な発色を目指します。
特に白髪染めの場合、白髪部分は染まりにくいので事前に専用の下地処理剤を使うと染着が向上します。
なお、キャラデコの一部カラー剤には前処理効果を高める成分が配合されています。
例えばパブェラインにはCMC類似成分や保湿成分が入っており、ブリーチ毛にも染み込みやすく色ブレを防ぎます。
製品特性を理解しておくことで、必要以上にトリートメントを重ねずともカラー剤だけで十分な仕上がりを出せる場合もあります。
大切なのは、お客様の髪のベストコンディションを作ってからカラーすること。
下地が整えば、キャラデコ本来の美しい発色を最大限引き出すことができるでしょう。
色落ちしにくい塗布方法と工夫

ヘアカラーの持ちを良くするには、塗布段階でのテクニックと施術後の処理が鍵を握ります。
キャラデコカラーは染料の定着が良い方ですが、特にビビッドな色やパステルカラーはどうしても退色が早めです。
以下に色落ちを抑えるコツを挙げます。
- 十分な塗布量: 薬剤はケチらずたっぷりめに塗布しましょう。
髪一本一本にしっかり染料が行き渡るよう、刷毛だけでなく手袋をした指で揉み込むようになじませると効果的です。
特に多毛の人やロングヘアでは、見た目より多めの薬剤量を使うくらいでちょうど良い発色になります。 - 放置時間の厳守と調整: 説明書に記載の放置時間は最低限守り、可能であればやや長めに置くことで色素の浸透を促します。
ただし高明度カラーで長く置きすぎると暗くなりすぎる場合もあるため、その際は低めのオキシを使う、もしくは途中で乳化して余剰染料を落とすなど調整します。 - 低アルカリ・低刺激処方の活用: 地肌ギリギリまでしっかり染めたい場合や色落ちを最小限にしたい場合、低アルカリのカラー剤を選ぶのも手です。
キャラデコのモデレートラインなどは低アルカリでキューティクルの開きが穏やかな分、過度な負担をかけず染料が定着します。
色持ちも比較的安定しやすくなります。 - 後処理の徹底: カラー後の乳化・シャンプーを適切に行い、残留アルカリをしっかり除去します。
仕上げに酸リンスやキューティクルを引き締めるトリートメントでpHを戻すことで、染料の流出を防ぎ色持ちが向上します。
特にビビッドカラーを入れた場合は、洗浄力の強いシャンプーでゴシゴシ洗うと一気に色が出てしまうので、流しすぎない程度にとどめるのもポイントです。
塗布技術だけでなく、お客様自身に協力してもらうことも大切です。
例えばカラー当日はできればシャンプーせずそのまま過ごしてもらう、少なくとも48時間は熱いお湯での長時間シャンプーを避けてもらうよう伝えます。
染めたその日のうちにプールや海に入るのも厳禁です。
これらのアドバイスも丁寧に説明し、せっかく綺麗に染めた色を長く楽しんでいただけるよう配慮しましょう。
ホームケアのアドバイスとセット販売の提案

カラー施術後、お客様に適切なホームケアをしていただくことで色持ちが格段に良くなり、次回来店まで綺麗な状態を保ちやすくなります。
美容師から積極的にホームケアアドバイスを行い、必要な製品があればセット販売で提案すると良いでしょう。
まず基本はカラー専用のシャンプー&トリートメントを使ってもらうことです。
市販の強い洗浄力のシャンプーはカラーの色素を早く流出させてしまうため、サロン専売のマイルドなカラーケアシャンプーをおすすめします。
特にアッシュやシルバー系なら紫シャンプー・青シャンプー、ピンク系ならピンクシャンプーなど、色素補給できるカラートリートメント剤も有効です。
「〇〇色を長持ちさせるには、このシャンプーを週に○回使ってください」と具体的に伝えるとお客様も実践しやすくなります。
また、毎日のドライヤー前に洗い流さないトリートメントで髪を保護することも勧めましょう。
熱や紫外線は退色を促進するため、アイロンを多用する方には低温設定で使うようアドバイスし、UVカット効果のあるヘアオイルなども提案します。
ホームケア製品のセット販売では、カラー直後~1週間用に集中的に色素補給できるマスクと、日常使いのシャンプー・トリートメントを組み合わせ、「カラーケア3点セット」として提供すると喜ばれます。
加えて、次回のカラーメンテナンス予約の提案も忘れずに。
カラーは放っておくと根元が伸びたり色が抜けたりしてしまいますので、「〇ヶ月後くらいにリタッチと色味のメンテナンスをしましょう」と目安を伝えておくとお客様も計画を立てやすいです。
ホームケアを頑張っていただければ次回来店時も良いコンディションで再カラーできる旨を伝え、「色が抜けてきたらこのトリートメントを使うといいですよ」と具体策を提示することで、サロンとお客様が二人三脚で綺麗な髪色を維持していける関係を築けます。
このように、美容師側から積極的に知識や商品を提供することで、お客様の満足度は大きく向上します。
キャラデコカラーの魅力を最大限引き出し、それを長く楽しんでいただくためにも、技術面だけでなくアフターケアまで含めたトータルな提案を心がけましょう。
まとめ
キャラデコのカラー剤は、美容師にとって強力な武器となる存在です。
アクリル系の高彩度カラーから白髪対応のナチュラルカラーまで網羅し、思い描いた色を自在に表現できる柔軟性があります。
カラーチャートを正しく読み解き、お客様の希望に合わせて色を調合することで、オンリーワンの仕上がりを提供できるでしょう。
また、サロンワークでの適切なプロセス管理やトレンド提案によって、お客様の信頼と満足を得ることができます。
さらに、発色を最大限に活かす技術や色持ちを良くする工夫、ホームケア指導まで徹底することで、美しい髪色を長く楽しんでいただけます。
日々進化するヘアカラートレンドの中で、キャラデコカラーはその対応力と表現力で美容師のクリエイティビティを支えてくれるはずです。
ぜひこの記事を参考に、キャラデコのカラーチャートを味方につけて、ワンランク上のカラー提案と技術をサロンワークに取り入れてみてください。
お客様に「またお願いしたい!」と思っていただけるような素敵な髪色を、キャラデコカラーとともに生み出していきましょう。