ミルボンの人気ヘアカラー「オルディーブ アディクシー」から、新たに登場した注目の暖色系カラー「スモーキーアンバー」。
美容師の皆様に向けて、その技術的特徴やサロンワークでの活用法、さらにカラーレシピとチャートまで詳しく解説します。
従来のアディクシーカラーとの比較や、この新色ならではの強み・魅力についても触れていますので、ぜひ参考にしてください。
技術的特徴:色の特性・発色・褪色過程

スモーキーアンバーの技術的特徴は下記になります。
- ピンクベージュの色味 – スモーキーアンバーはやわらかなピンクベージュの発色が特徴です。
高明度(ハイトーン)では特にピンク味のあるベージュに発色し、上品なくすみ感を帯びたトーンになります。 - 赤紫ベースの処方 – 色素構成にバイオレット(赤紫)を多く含んでいるため、アンダーの黄味をしっかり打ち消し、クリアな暖色発色を実現します。
- 褪色過程でもオレンジになりにくい – 赤紫系の色素のおかげで、時間が経ってもオレンジ味に傾きにくく、美しい色味の変化が楽しめます。
- 透明感とツヤのある発色 – ブラウンフリー処方により、濁りのないクリアな発色と柔らかなツヤ感を両立しています。
サロンワークでの活用方法

スモーキーアンバーは、サロンワークでさまざまな応用が可能です。
以下に提案ポイント、施術例・テクニックをご紹介します。
顧客への提案ポイント
暖色系カラーを望むお客様には、スモーキーアンバーの「褪色しても嫌なオレンジにならない」点をアピールすると良いでしょう。
従来のベージュやオレンジ系でありがちな退色後の赤銅っぽさが抑えられるため、色持ちが良く美しいまま長く楽しめるカラーであることを伝えられます。
また、「ピンクベージュ」の柔らかい発色は肌なじみが良く上品な印象を与えるため、初めて暖色に挑戦する方や柔らかい雰囲気を出したい方にも勧めやすいカラーです。
暗め志向の方には深みのあるスモーキーなブラウンニュアンス、明るめ志向の方には透明感あるピンクベージュ、と幅広いトーン提案が可能なのもポイント。
施術テクニック&使用例
スモーキーアンバーはブリーチ毛のトナーとしても優秀です。
例えば、ブリーチ後に残留しがちなオレンジ色味を消しつつ可愛らしいベージュピンクに染められるため、ハイトーンの既染毛の色補正に最適です。
ブリーチなしでも中明度のスモーキーアンバーならほんのり発色し、グラデーション塗布で自然なトーン差を演出できます。
また、低刺激OX(2.5%など)で時間差調整しながら染めることで、髪への負担を軽減しつつ発色をコントロールできます。
スモーキーアンバーのカラーレシピとチャート

引用:カラデジ公式サイト
レベル (明度) | 仕上がりの色味イメージ |
---|---|
13-SAM(ハイトーン) | 非常に明るいペールピンクベージュ。ブリーチベースの髪に使用すると柔らかなヴェールをかけたようなピンクベージュになり、透明感抜群の仕上がり。 |
9-SAM(ライトトーン) | 明るめのベージュ。黄味を抑えつつほのかにピンクニュアンスが感じられるツヤのあるライトベージュ。 |
7-SAM(中明度) | 標準的な明るさのベージュ。オレンジ味を感じにくいまろやかなベージュブラウンで、光が当たると淡いピンクブラウンの輝きが見える。 |
5-SAM(ロートーン) | やや暗めのウォームブラウン。赤紫の色素が効いているため、暗めでも重たく沈まない柔らかなモーヴブラウンに発色。 |
3-SAM(ディープトーン) | 非常に深みのあるダークブラウン。肉眼ではほぼ自然な黒に近いトーンですが、光に透けるとほんのりと赤みと紫みを含んだ深みが感じられます。 |
スモーキーアンバーは3〜13レベルまでラインナップされており、明度選択によって上記のように仕上がりの印象が変化します。
高明度ではピンクベージュの魅力が際立ち、低明度では深みのある落ち着いた暖色ブラウンとして活躍するでしょう。
カラー調整やレシピのポイント
- クリア剤の活用
アディクシーのクリア(無色の第1剤)を混ぜる割合で色の濃さを調整可能です。
例えば「9-SAM:クリア = 1:1」のように配合すれば、13レベル相当まで明度を上げつつ淡い発色にできます。
反対に鮮やかさを出したい場合はクリアを入れず単品で使うか、比率を下げて調整します。 - 他色とのミックス
ピンク系やレッド系との相性が良く、狙いの色味に応じてレシピをカスタマイズできます。
例: 柔らかいピンク寄りにしたい時は「7-SAM:7-P(ピンク) = 2:1 + 3%OX」で中間〜毛先に塗布し、よりピンクベージュ感をプラス。
逆にベージュ感を強めたい時は「9-SAM:9-グレーパール = 2:1」で黄味消し効果を補強しつつ、ピンクを抑えたニュートラルベージュに仕上げる、といった応用ができます。 - OX(オキシ)の選択
仕上がりのクリアさとダメージコントロールのために、現場では低めのオキシ(2.5%〜3%)でゆっくり発色させる方法がおすすめです。
特にハイトーンの髪にはAC 2.5%等でトナー塗布し、色ブレを防ぎながら均一に発色させると良いでしょう。
自然毛を明るくしたい場合は6%でリフトしつつ発色させるなど、髪の状態に応じて使い分けます。
まとめ
新色「スモーキーアンバー」は、アディクシーならではの技術で実現した革新的なピンクベージュカラー。
暖色でありながら、透明感のある発色が特徴です。
褪色してもオレンジ味に傾かず、長く美しい色味を楽しめます。
幅広いトーンに対応し、サロンワークでの汎用性が高いのも嬉しいポイントです。
技術的特徴からサロンでの活用方法まで理解することで、そのポテンシャルを最大限に引き出すことができます。
ぜひこのカラーの魅力をお客様に提案し、これまでにない暖色系デザインの可能性を広げてみてください。