イルミナカラーとは、ウエラ(Wella)社が開発したプレミアムヘアカラー剤です。
最大の特徴は、透明感とツヤ、そしてダメージの軽減を同時に実現する独自処方にあります。
特に日本人特有の赤みやオレンジみを抑えて、柔らかな質感の外国人風カラーが出せる点が人気です。
イルミナカラーには「マイクロライトテクノロジー」という先進技術が搭載されており、カラーの過剰反応を抑えてキューティクルダメージを大幅に減らします。
その結果、カラー後のツヤや手触りが格段に向上し、退色しても輝きが持続しやすいのが特長です。
また、染料の配合バランスにも工夫があり、濁りや深みを抑えたクリアな発色が得られる処方になっています。
さらに、白髪染めにも対応可能で、白髪率が高い場合でも適切な調合を行えばしっかりと色を入れられます。
こうした豊富なメリットから、幅広い年代のお客様に提案しやすいカラー剤として人気を集めています。
イルミナカラーの発色解説

引用:イルミナカラー公式サイト
ここではブリーチの有無や黒髪・白髪などベースレベルの違いによる発色を解説します。
ブリーチなしの場合
イルミナカラーは単品でも3レベル程度までリフトする力があり、ブリーチしなくても明るさと透明感を両立しやすいのが特長です。
例えば地毛が暗めの方でも、赤みを抑えた柔らかなアッシュ系やベージュ系を表現できます。
室内では落ち着いて見えながら、太陽光下ではふんわりと透けるような質感を楽しめる点が魅力です。
黒髪での発色例
黒髪に対してイルミナカラーをオンする場合、大幅にトーンアップするのは難しいものの、柔らかなニュアンスを加えることは可能です。
例えば「ヌード」や「オーシャン」を使用すると、黒髪特有の硬い赤黒さを抑え、ソフトなダークブラウンへ移行できます。
「ほぼ黒髪に見えるけど光を通すとベージュやグレー味がある」というナチュラルな印象が得られるため、校則や職場の制約がある方にも提案しやすいです。
ブリーチありの場合
事前にブリーチで高明度までリフトしておくと、イルミナカラーの透明感・高発色が最大限に引き出されます。
特に寒色系やグレージュ系では外国人風の淡いカラーがクリアに表現できます。
イルミナカラー専用の「ライトニングシステム」を使うと、ブリーチオンカラーよりもダメージを抑えながらしっかりと明るくできるのも利点です。
メンズ向けイルミナカラー
刈り上げやショートスタイルが多いメンズでも、イルミナ特有のツヤ感や透明感を生かしたカラーが人気です。
暗めのアッシュやネイビー系なら光に当たるとほんのり色味が透け、重たく見えない黒髪風に仕上げられます。
退色してもオレンジや黄ばみが出にくく、自然な色落ちを楽しめるのもメリットです。
最新の新色情報

イルミナカラーは定期的に新色が追加され、現在は16色相・全68色以上がラインナップされています。
例えば2024年には「アーバンスカイコレクション」として、ムーンライト(シアーシルバー)とナイトスカイ(チャコールグレー)などのクールトーンが登場しました。
2025年には「アースカラーコレクション」としてニュートラルベージュ系「アース」の追加が予定されており、さらなるバリエーション拡充が期待されています。
施術のポイント
イルミナカラーで最適な仕上がりを得るために、調合や塗布、アフターケアの面で押さえておきたいポイントを解説します。
調合のコツ
イルミナカラーは基本的に1剤:2剤=1:1で混合し、リフト力を高めたい場合は6%~9%のオキシを使用します。
既染毛へのトーンダウンやブリーチ後のトナーとして使う場合は、3%など低濃度のオキシを選ぶとダメージを抑えられます。
白髪染めにはナチュラル系シェード(NB系やシャドウなど)を適度にミックスして、カバー力と透明感を両立します。
また、アッシュ系など淡い色をメインにする場合は、色持ちを良くするため濃いめのアクセントカラーを10~20%配合すると効果的です。
塗布方法と放置時間

塗布ムラを防ぐには、細かいセクショニングで髪を分け取り、十分な量の薬剤を塗布することが大切です。
イルミナカラーは放置時間30~40分を推奨しており、過度な加温は必要ありません。
根元~毛先で薬剤を塗り分ける際は、既染部にクリスタル(クリア剤)を混ぜて濃さを調整するとムラなく仕上がります。
ブリーチ後のトナーとして使用する場合はシャンプー後のウェット塗布も有効ですが、目的に応じて使い分けましょう。
退色防止とアフターケア
イルミナカラーは従来のカラー剤に比べると色落ちが綺麗ですが、透明感重視の配合ゆえ退色しやすい面もあります。
サロン施術後には乳化シャンプーで残留アルカリをしっかり除去し、専用のトリートメントを組み合わせてキューティクルを整えましょう。
お客様には、カラーシャンプーの使用や濡れたまま放置しないこと、紫外線・熱ダメージ対策などのホームケアを案内すると色持ちが向上します。
サロンワークでの活用法

ここではイルミナカラーをメニュー化し、リピート率を高めるための実践的なアイデアを紹介します。
高付加価値メニューとして差別化
イルミナカラーは従来のカラーよりワンランク上の仕上がりを提供できるため、プラス料金で設定して差別化するサロンが多いです。
「イルミナ艶カラー+トリートメント」など、特別メニューとして訴求し、カラー剤のブランド力を活かしましょう。
メーカー調べでは、ブランド指定カラーの中で最も多く指名されたのがイルミナカラーというデータもあります。
ダブルイルミナカラーの導入
ブリーチに代わるライトニングシステムを先に行い、続けてイルミナカラーを重ねる二段階施術を「ダブルイルミナカラー」と呼びます。
ブリーチ特有の過度なダメージを抑えつつ、より高いトーンと透明感を実現できるのが強みです。
ハイトーン希望のお客様へ「ブリーチより手触りが良く、なおかつツヤも出るメニューですよ」と提案し、付加価値を高めましょう。
セットメニューやメンズ向けにも展開
「カット+イルミナカラー+トリートメント」のように、トリートメントメニューを合わせたコースで提供すると、色持ちや質感向上をさらに実感してもらえます。
メンズ層には「暗めでも透け感のあるカラー」として、ビジネスシーンで通用するお洒落カラーをアピールできるのでリピートも期待できます。
カウンセリングでのポイント
「ダメージが少なくツヤが出る」「白髪も自然に染まる」など、イルミナカラーならではのメリットをわかりやすく伝えましょう。
仕上がりイメージを具体的に共有するため、実際の色見本や施術事例を活用すると説得力が高まります。
「一度体験するとリピートしたくなる」と言われるほど満足度の高いカラーなので、初回クーポンなどで気軽に試してもらうのも有効です。
価格設定とリピート率アップ
イルミナカラーは通常カラーより高価格でも、お客様が納得しやすいだけの仕上がりとブランド力を持っています。
施術後にはホームケアのアドバイスをしっかり行い、次回予約やメンテナンスカラーの提案をこまめに行いましょう。
メーカー調べでは88%以上の高いリピート率が報告されているため、満足度を高めれば自然とリピートにつながります。
まとめ

イルミナカラーは、透明感・ツヤ・低ダメージという三拍子揃った次世代型のヘアカラー剤です。
ブリーチなしでも十分に綺麗な発色が得られ、ブリーチ(またはライトニング)を組み合わせることでさらに高いレベルの外国人風カラーに到達できます。
メンズや白髪染めなど幅広いニーズに対応できるうえ、圧倒的なツヤと手触りでお客様満足度も非常に高いのが特徴です。
サロンワークでは調合や塗布、アフターケアをしっかりマスターし、メニューとして差別化を図ることで売上やリピート率向上にもつなげられます。
「どのカラー剤よりも詳しい知識を身につけて、お客様に最高の仕上がりを提供したい」とお考えの美容師の皆さまには、ぜひイルミナカラーを積極的に活用していただきたいです。